米Onyx Pharmaceuticals社は2012年7月20日、米食品医薬品局(FDA)が、同社のプロテアソーム阻害薬carfilzomib(商品名「Kyprolis」)注射剤を迅速承認したと発表した。

 適応は、多発性骨髄腫の患者で、既に少なくとも2通りの治療(ボルテゾミブと免疫調節薬を含む)を受けており、直近の治療の間に、または治療終了から60日以内に進行が見られた人々となっている。迅速承認は奏効率に基づいており、現時点ではcarfilzomibが無増悪生存期間または全生存期間の延長をもたらすことを示したデータはない。

 承認のベースになったのはフェーズ2b 003-A1試験だ。単盲検の多施設試験は、266人の多発性骨髄腫患者を登録して行われた。患者は中央値5回の治療歴を持っていた。主要評価指標は国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)の基準を用いた全奏効率に設定されており、独立した審査委員会の評価では22.9%という結果になった。奏効期間の中央値は7.8カ月だった。

 安全性の評価は、carfilzomibの単剤投与を受けた再発性で/または難治性の多発性骨髄腫患者526人を対象に行われた。死亡は37人(7%)で、骨髄腫の進行以外で多かった死因は、心疾患(5人)、末期臓器障害(4人)、感染(4人)だった。発生率が30%以上だった有害事象は、疲労感、貧血、悪心、血小板減少症、呼吸困難、下痢、発熱で、患者の45%が重症有害事象を経験した。

 既に同社は、carfilzomibの生存利益を確認するためのフェーズ3 ASPIRE試験の患者登録を完了している。この試験については、FDAと特別プロトコル査定(SPA)合意を済ませている。

 同社は同日、米国で「Onyx Pharmaceuticals 360(Onyx 360)」プログラムを開始したことも明らかにした。これは癌患者と介護者を支援する総合的なサービスで、保険による償還や医療費支払いの手助けや精神的な支援を行うことによって、治療を受けやすくすることをめざす。

 日本国内では小野薬品工業が、再発性または難治性の多発性骨腫患者を対象としてcarfilzomibの臨床開発を行っている。