急性骨髄性白血病(AML)を対象とした放射性免疫療法薬Actimab-Aのフェーズ1/2試験が開始され、スローンケタリング記念がんセンター(ニューヨーク州)で患者への投与が始まった。開発元の米Antinium Pharmaceuticals社が7月19日に発表した。

 Actimab-Aは、抗CD33モノクローナル抗体lintuzumab(HuM195)に、アルファ線を放出する放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)Actinium 225を組み合わせたもので、RI標識抗体療法とも呼ばれる。

 この多施設フェーズ1/2試験では、Actimab-Aの有効性と安全性を確認し、多回投与の効果を調べる。化学療法の忍容性が低下する年齢60歳以上で、新たに診断されたAML患者を対象に、Actimab-A (0.5 microCi/kg)を1週間の間隔をあけて2回投与する計画だ。フェーズ1試験で最高21人、その後のフェーズ2試験で最高53人を登録予定。

 同社はすでに、より弱いアルファ線放出核種 Bismuth-213をHuM195抗体薬と結合させたBismab-Aの単施設フェーズ1/2試験と、Actimab-Aの単群、用量漸増フェーズ1試験を実施している。前者のBismab-A試験では、標準治療のない再発性または細胞遺伝学的予後不良の患者の多くで完全寛解を認めた。

 現在、RI標識抗体療法で用いられている代表的なイットリウム-90(y-90)は粒子線であるベータ線を放出する。一方、同治療で用いられるActinium-225は崩壊時にアルファ線を放出する。アルファ線は粒子線の中でも電離能力が最も高く、ベータ線に比べてその細胞殺傷力は100倍以上とされる。

 また、アルファ線はその質量から飛程が非常に短い。ベータ線が1〜10mmであるのに対し、アルファ線では0.6mmしか透過しないため、腫瘍細胞を直接的に殺傷するが正常細胞への被曝を低減できるのではないかと試みられている。

 今回の治験は、一般的には放射線感受性が低いとされる白血病(AML)を対象に実施されており、同社によると、ベータ線による療法が有効でない癌などにもこの治療が適用できる可能性があるという。

 製造元のAntinium Pharmaceuticals社(本拠地ニュージャージー州)は、Actinium-225、 Bismuth-213などアルファ線放出RI標識抗体治療を開発するバイオテクノロジー企業。この放射性抗体技術の開発においてはスローンケタリング記念がんセンターのDr. David Scheinbergが大きく寄与した。