癌幹細胞を標的とする新規治療薬の開発に取り組んでいる米OncoMed Pharmaceuticals社は、2012年7月12日、フェーズ1試験に登録した進行固形癌患者に対するOMP-54F28(Fzd8-FC)の投与を開始したと発表した。

 同社は米Bayer HealthCare Pharmaceuticals社と共同で、癌幹細胞の機能に欠かせないWnt経路を阻害する薬剤の開発を進めており、既にWnt受容体であるFizzledに対するモノクローナル抗体製剤OMP-18R5の臨床試験を進行中だ。OMP-18R5は7種類のFrizzled受容体を認識する。

 OMP-54F28は、両社が臨床試験を開始する2番目のWnt経路阻害薬で、Wnt経路を強力に阻害する。複数の前臨床モデルにおいて、単剤投与でも、他の化学療法薬と併用した場合にも、抗癌活性が見られること、癌幹細胞の割合を減らすことが示されている。

 OMP-54F28に関するフェーズ1は、米アリゾナ州Scottsdale地域の医療機関であるPinnacle Oncology Hematologyと米Michigan大学総合癌センター、米Colorado大学癌センターで、Pinnacle Oncology HematologyのMichael S. Gordon氏らの指揮の下に行われる。治療の選択肢が無くなった進行癌患者を登録し、用量漸増形式で、オープンラベルで行われる。目的は、安全性と免疫原性、薬物動態学的特性を調べ、バイオマーカー値への影響を明らかにし、有効性の予備的な評価を行うことにある。

 OncoMed社はBayer社に、臨床試験用のOMP-54F28を提供している。Bayer社の親会社である独Bayer Pharma AG社は、一連のフェーズ1試験が終了するまでのどこかの時点で、この製品の独占的なライセンスを得ることができるオプションを保有する。