米ImmunoGen社は2012年7月11日、抗体薬物複合体IMGN853の臨床試験を米国で開始したと発表した。

 卵巣癌や非小細胞肺癌などの固形癌で、FOLR1または葉酸受容体αと呼ばれる葉酸受容体の過剰発現が確認されている患者を登録する多施設フェーズ1の目的は、安全性と忍容性、薬力学的特性、薬物動態学的特性、抗癌活性などの評価に置かれている。

 同社は、抗体医薬の開発における専門技術とTargeted Antibody Payload (TAP) 技術を用いて、癌治療薬を開発している。IMGN853は、FOLR1を標的とする抗体とメイタンシノイド誘導体であるDM4を、同社専有のリンカーを用いて結合したものだ。このリンカーは、血中では抗体とDM4の結合を安定的に保ち、腫瘍部位に至ると多剤耐性機構を打ち破るよう設計されている。

 フェーズ1は用量漸増方式で行われる予定で、治療歴のある卵巣癌患者や非小細胞肺癌患者、他の上皮性の癌の患者など約64人を登録することになっている。低用量領域については、それぞれの用量を投与する患者を1人に限定することにより速やかに試験を進め、最大耐用量が明らかになった後に、登録患者数を拡大して、プラチナ製剤に反応しない/抵抗性の上皮性卵巣癌患者、標準治療に反応しない/治療後に再発した上皮性卵巣癌患者、標準治療に反応しない/治療後に再発した非小細胞肺癌(腺癌)の3コホートに分けてそれぞれ最大耐用量を投与し、コホートごとに評価を進める計画だという。