スイスNovartis社は、2012年6月22日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、mTOR阻害薬エベロリムスをエキセメスタンと共に進行性乳癌患者の治療に用いることを支持したと発表した。

 適応は、ホルモン受容体陽性だがHER2/neu陰性の進行性乳癌の閉経女性で、非ステロイド系アロマターゼ阻害薬を用いた治療後に再発または病気が進行した患者となっている。

 EMAは通常、CHMPの推薦を受けてから3カ月以内に最終的な判断を下すことになっており、承認されれば欧州連合加盟27カ国とアイスランド、ノルウェーで、エベロリムスを進行乳癌患者に適用できるようになる。

 承認推薦は、二重盲検の無作為化フェーズ3試験BOLERO-2で得られたデータに基づく。724人のホルモン受容体陽性/HER2陰性患者を登録したこの試験で、研究者自身の分析によるエベロリムス+エキセメスタン群の無増悪生存期間(PFS)の中央値は7.8カ月、エキセメスタン単剤群では3.2カ月で、ハザード比は0.45(95%信頼区間:0.38-0.54、p<0.0001)になった。独立した評価委員会による分析では、エベロリムス+エキセメスタン群のPFSは11.0カ月、エキセメスタン単剤群では4.1カ月で、ハザード比は0.38(同:0.31-0.48、p<0.0001)だった。

 ホルモン受容体陽性/HER2陰性の進行乳癌患者には、主にホルモン療法が適用されるが、多くの患者が治療に抵抗性を示すようになる。治療抵抗性にはPI3K/AKT/mTOR経路の過剰な活性化が関与することが知られており、エベロリムスは、mTORの阻害を通じてホルモン療法に対する感受性を改善すると考えられている。

 既に同社は、米国、スイスなど世界の複数の国においても、進行性乳癌を対象とするエベロリムスの適応拡大申請を提出済み。日本では申請準備中だ。