治療歴のないHER2陽性の転移性乳癌(mBC)治療薬として、6月8日に米食品医薬品局(FDA)から承認を受けたpertuzumabは、承認の根拠となったCLEOPATRA試験で患者の生存においても有意な改善をもたらしたと、スイスRoche社が公表した。この結果の詳細は近く医学学会で発表される予定だ。

 CLEOPATRA試験は、未治療の転移性乳癌および局所再発乳癌の患者808人を登録したプラセボ対照、二重盲検ランダム化フェーズ3試験。2011年12月にNew England Journal of Medicine誌で主要エンドポイントである無増悪生存期間(PFS)、二次エンドポイントである安全性および全奏効率の良好な結果が報告され、今月FDAの承認に至った。

 報告された患者の無増悪生存期間(PFS)中央値は、トラスツズマブ+ドセタキセルにpertuzumabを追加した群では18.5カ月、トラスツズマブ+ドセタキセル療法のみの群では12.4カ月となり、pertuzumab 追加群で6.1カ月の有意なPFS延長が示された(HR=0.62、95%信頼区間:0.51-0.75、p<0.0001)。

 Pertuzumabは癌細胞表面のHER2受容体を標的とする分子標的薬。HER2と薬剤が結合することにより、HER2受容体が他のHER受容体(HER1/EGFR、HER3、HER4)と結合するのを阻止し、癌細胞の生存や増殖を妨げる。また、薬剤がHER2と結合することにより免疫応答をも刺激して癌細胞の攻撃を惹起する機序ももつ。

 Pertuzumabは、トラスツズマブと同じく癌細胞表面のHER2受容体と結合するが、トラスツズマブとは異なる場所に結合するため互いに補完し合って作用する。

 Roche社は欧州医薬品庁(EMA)にも、HER2陽性の転移性および局所再発乳癌患者にハーセプチン+ドセタキセルと併用するpertuzumabの市販許可申請をすでに提出済みだ。