転移性腎細胞癌に対するテムシロリムス投与は、重篤な有害事象の頻度が少なく、長期にわたる癌のコントロールに適していることが示された。

 これは、神戸大学腎泌尿器科学分野の三宅秀明氏が示したもので、自施設で受療した36例のデータの解析から明らかになった。

 解析の対象としたのは、年齢67歳(26-83歳)、男性61.5%、Karnofsky PSが80%以下が33.3%、淡明細胞型が86.2%、MSKCCリスク分類でIntermediateリスクが75.0%、Poorリスクが16.7%、転移臓器は肺が80.6%、リンパ節が33.3%、その他の臓器が50%だった。

 1次治療としてテムシロリムスを投与したのは21例、2次治療として投与したのは10例、3次治療として投与したのは3例、4次治療として投与したのは2例だった。2次治療以降に投与されていたのは全例がTKI抵抗性例への導入だった。

 mTOR阻害薬は1次治療として投与される場合はPoorリスク例を対象とすることが多いが、同グループでは、Poorリスク例以外であってもPSが不良な症例などに対しては積極的にmTOR阻害薬を選択する方針としている。

 観察期間中央値は5カ月(2-14カ月)で、投与回数中央値は22回(5-67回)。減量したのは10例で、好中球減少、貧血、血小板減少、高血糖、肺炎が各2例ずつだった。中止したのは9例で、腫瘍増悪が6例、有害事象が3例だった。

 抗腫瘍効果は、部分奏効(PR)が2例、SDが31例、PDが3例で、SD以上の臨床的ベネフィットが得られたのは91.7%だった。

 グレード3以上の有害事象は、好中球減少、貧血、血小板減少、高血糖、口内炎、皮疹が各2例ずつ、肺炎が1例に認められた。

 身体機能、身体の痛み、全体的健康感、活力などの一般健康関連QOLについては、投与前後で有意な差は認められなかった。