転移性腎細胞癌(mRCC)に対するスニチニブの投与は、腎摘出術で摘出した原発巣でVEGFR-2の発現が高い患者で有効である可能性が明らかになった。患者の原発巣を免疫組織学的染色で調べた結果、明らかとなったもの。成果は5月19日から23日にアトランタで開催された米国泌尿器科学会(AUA)で、兵庫県立がんセンターの寺川智章氏によって発表された。

 寺川氏らは、mRCCと診断され、根治的腎摘出術を受けてスニチニブを投与された40人の患者について、摘出した組織でのVEGFR-1、VEGFR-2、PDGFR-α、β、Bcl-2、Bcl-xL、BAX、リン酸化Akt、p44/42MAPK、STAT3の10個のマーカーの発現を免疫組織学的染色で調べた。

 患者の年齢中央値は62歳(44-81)、男性が29人(72.5%)、Karnofsky performance status 80以上が30人(75%)、病理学的TステージはpT1が6人、pT2が3人、pT3が30人、pT4が1人、転移部位は肺が24人、骨が15人、リンパ節が11人、肝臓が6人などだった。MSKCCリスク分類は良好が19人、中間が19人、不良が2人だった。

 40人全体のスニチニブの効果は、無増悪生存期間(PFS)中央値が6.0カ月、平均値は7.8カ月、1年PFS率は43.2%だった。PFSとパラメーターの関係を単変量解析、多変量解析したところ、VEGFR-2の強発現のみが単変量解析、多変量解析の両方で有意なものとして同定された。単変量解析のハザード比は3.11(1.33-7.27)、p=0.0088、多変量解析のハザード比は2.91(1.15-7.41)、p=0.0025だった。

 スニチニブの効果とVEGFR-2の発現量を調べたところ、発現が弱い患者では完全奏効(CR)または部分奏効(PR)0人、病勢安定(SD)5人、進行(PD)7人だったのに対して、発現が強い患者ではCRまたはPRが6人、SDが16人、PDが6人で、有意(p=0.039)な差があった。PFSのカプランマイヤー曲線でも有意(p=0.0057)な差があった。