転移巣を切除した転移性腎細胞癌患者の予後不良の予測に使える可能性がある5つのリスク因子が同定された。日本の48施設、559人の患者データの解析から明らかとなったもの。リスク因子の数が3個未満と3個以上で全生存期間(OS)中央値は大きく異なっていた。成果は5月19日から23日にアトランタで開催されている米国泌尿器科学会(AUA)で、山形大学の内藤整氏によって発表された。

 研究グループは日本の病院に質問票を送付し、1988年から2009年12月までに腎細胞癌と診断され、転移部位を切除された患者のデータを収集した。そして転移巣切除から死亡または最終フォローアップまでの全生存期間を計算した。また生存と臨床病理学的な特徴の関係を解析し、多変量解析によって予後に不利な因子の検出を行った。さらに予後因子の数によって、予後が悪いグループを同定した。患者には術後にサイトカイン療法や分子標的薬の投与が行われていた。

 48施設、559人の患者データを解析した結果、全生存期間中央値は80カ月(95%信頼区間:69.7-90.6)だった。そして予後に不利な因子として、転移巣の不完全な切除(ハザード比1.76、p=0.017)、転移巣切除時の脳転移(ハザード比3.34、p<0.001)、1.0/dLを超えるC反応性たんぱく質(ハザード比2.86、p<0.001)、ECOG PSが1以上(ハザード比1.59、p=0.044)、組織学的なグレードが3(ハザード比1.65、p=0.024)という、5因子を同定した。これらの因子の数が3未満の患者(65人、17.8%)のOS中央値105カ月に対して、3以上の患者(65人、17.8%)のOS中央値は24カ月と予後が悪かった。

 内藤氏は「リスクファクターが多い患者では転移巣の切除を行わないことも考えられる」と語った。