男性型脱毛症は前立腺癌診断の独立した予測因子である可能性が、前向きコホート研究の結果明らかとなった。5月19日から23日にアトランタで開催されている米国泌尿器科学会(AUA)で、カナダTronto大学のDavid Margel氏によって発表された。

 研究グループは倫理審査委員会の認可を得て、前立腺バイオプシーが予定されている214人を登録した。また男性ホルモンと関連するといわれている薬指に対する人差し指の比(2D:4D比)を出すために、デジタル精密測定器で指の長さを計測した。男性型脱毛症の判定には標準化されたNorwoodによる男性型脱毛症分類(0は脱毛なし、1は前頭部脱毛、2は軽度の頭頂部薄毛、3は中等度の頭頂部薄毛、4は重度の頭頂部薄毛)を使った。すべての測定はバイオプシーの前に行われ、診断結果が出るまでブラインド化された。

 研究グループは、2D:4D比、男性型脱毛症と、バイオプシーによる前立腺癌診断の関係について、単変量解析と多変量解析を行った。多変量モデルには2D:4D比、男性型脱毛症、前立腺直腸診(正常か異常か)、前立腺特異抗原(PSA)値が含まれていた。

 年齢中央値は64歳(IQR:59-70)、PSA中央値は5.8(IQR:4.1-8.4)だった。直腸診陽性は51人(24.6%)。2D:4D比は1未満が106人(49%)、1以上は108人(52%)だった。男性型脱毛症分類でクラス0は44人(20.5%)、クラス1は53人(24.8%)、クラス2は35人(16.4%)、クラス3は28人(13%)、クラス4は54人(25.2%)。全体で119人(55.6%)が前立腺癌と診断された。

 多変量解析で、バイオプシーによる前立腺癌の診断と関連する予測因子を調べた。男性型脱毛症(0、1対2、3、4)はオッズ比1.8(95%信頼区間:1.03-3.2、p=0.04)、2D:4D比はオッズ比0.9(95%信頼区間:0.6-1.7、p=0.1)、年齢はオッズ比1.03(95%信頼区間:1.01-1.24、p=0.001)、Log PSAはオッズ比1.5(95%信頼区間:0.7-4.3、p=0.1)、直腸診はオッズ比2.1(95%信頼区間:1.02-4.4、p=0.04)だった。男性型脱毛症は有意な予測因子であり、2D:4D比は関連がなかった。

 さらに、脱毛症分類が進行しているほど前立腺癌との関連が高かった。クラス0に対して、クラス1ではオッズ比1.3(95%信頼区間:0.9-2.8)、クラス2ではオッズ比1.9(95%信頼区間:0.99-4.8)、クラス3ではオッズ比2.4(95%信頼区間:1.01-6.2)、クラス4ではオッズ比2.5(95%信頼区間:1.1-5.5)だった。