血清中葉酸レベルが高いことは、前立腺癌の生化学的な再発(PSA値の上昇)リスクが低下することと関連がある可能性が明らかとなった。Shared Equal Access Regional Cancer Hospital(SEARCH)データベースから、根治的前立腺切除術を受けた後に生化学的に再発するリスクと血清中葉酸レベルとの関連を解析した結果、示されたもの。5月19日から23日までアトランタで開催されている米国泌尿器科学会(AUA)で、米国Floral Parkの泌尿器科医であるDaniel M.Moreira氏らによって発表された。

 葉酸はヌクレオチド合成に不可欠であり、葉酸の欠乏がいくつかの発癌に関係していることが示唆されている。しかし、前立腺癌の発生における葉酸の役割や、前立腺癌治療の結果に与える効果については明らかになっていない。

 研究グループは、血清中の葉酸レベルと生化学的な再発の関連を調べることを目的に、SEARCHデータベースから、根治的前立腺切除術を受けた前立腺癌患者で、術前の血清中葉酸レベルの情報がある1988年から2009年の間の患者135人のデータを取り出し、レトロスペクティブな解析を行った。

 血清中の葉酸はELISA法で測定し、癌の再発は、PSAが0.2ng/dL超、PSA値が0.2ng/dLに2度達した、PSA上昇に対する2次的な治療の実施と定義した。

 葉酸の数値は平均が12.9ng/mL、中央値が11.6ng/mL、基準レベルは3〜20ng/mLで、88%の患者が正常レベルだった。2年無再発生存率は75%超で、5年無再発生存率も60%を超えていた。

 患者背景で癌の再発に関連する項目は、黒人(p=0.027)、術前PSA値(p=0.026)、手術からの年数だった。また葉酸レベルが高いほどPSAレベルは低かった(p=0.003)。単変量解析で葉酸のレベルと再発の関連を調べたところ、ハザード比0.95(95%信頼区間:0.90-1.00)、p=0.056だった。さらに多変量解析で葉酸のレベルと再発の関連を調べたところ、ハザード比0.92(95%信頼区間:0.85-0.99)、p=0.024だった。さらに葉酸が11.6ng/mL以上の患者と未満の患者では、以上の患者の方が有意に無再発生存率が良かった(p=0.0270)。

 今回の解析の問題点として研究グループは、レトロスペクティブな解析であること、葉酸のデータが得られたのは全体の10%までだったこと、葉酸レベルは何らかの臨床的な理由があって調べられていること、葉酸の由来が分からないこと、交絡因子、長期的な病状の結果が不明なことを挙げた。