初のBiTE(二重特異性T細胞誘引)抗体治療薬であるblinatumomabにより、再発/難治性のB前駆細胞型、急性リンパ芽球性白血病(ALL)成人患者の72%で完全寛解(CR)が認められた。このフェーズ2試験結果の詳細は、6月1〜5日にシカゴで開催される第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表される予定だ。

 Blinatumomabは、白血病やリンパ腫のB細胞表面に発現するCD19を標的として、細胞障害性T細胞を誘導して攻撃させる新たな抗体医薬品。BiTE抗体と呼ばれる同薬は、T細胞上のCD3と、B細胞上のCD19の2つの抗原を認識し、両細胞を引き寄せ、癌化したB細胞を死滅させる仕組みをもつ。

 このシングルアーム、用量範囲探索フェーズ2試験には、初回標準治療または同種幹細胞移植後に再発/再燃したALL患者を登録した。治療は6週間(4週間blinatumomab投与、2週間休薬)を1サイクルとし、最高5サイクル施行した。初回投与量は5μg/m2/日、15μg/m2/日とし、その後、最高30μg/m2/日まで増量した。

 設定されたすべての投与量およびスケジュールで治療を受けた36人のうち26人が主要エンドポイントである造血系の回復を伴う完全寛解(CRh)に達したほか、2人を除いた全員で2次エンドポイントである分子生物学的効果(ポリメラーゼ連鎖反応法で白血病細胞がない状態)を達成した。

 解析時の追跡期間は中央値10.7カ月で、患者の生存期間中央値は9.0カ月、また寛解に至った患者26人における奏効持続期間中央値は8.9カ月だった。治療関連死や重篤有害事象(AE)はなかった。

 最も多かった有害事象は発熱70%、頭痛39%、振戦30%、疲労30%で、いずれもgrade1/2、多くが最初の治療開始直後に発生した。可逆的ではあったが中枢神経系事象により6人が治療を中断、2人は再開できず中止となった。治療中断を要したサイトカイン放出症候群も2例認められた。

 米Amgen社製blinatumomab(AMG103)は、現在、米食品医薬品局(FDA)によりALL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、有毛細胞白血病、前リンパ球性白血病、低悪性度B細胞リンパ腫の希少疾病用医薬品に指定されており、また欧州医薬品庁(EMA)からはALL、CLL、マントル細胞リンパ腫、低悪性度B細胞リンパ腫の希少疾病用医薬品指定を受けている。