リンパ節転移陰性の非小細胞肺癌(NSCLC)を手術で切除した患者を対象としたレトロスペクティブな検討から、腫瘍サイズと白金系抗癌剤ベースの術後補助化学療法による無病生存期間(DFS)の間に、正の相関が認められる可能性が示された。カナダPrincess Margaret HospitalのSinead Cuffe氏らが、世界肺癌学会(IASLC)のJournal of Thoracic Oncology 6月号に発表した。

 Cuffe氏らは、白金系抗癌剤ベースの術後補助化学療法の有用性に対する腫瘍サイズとKRAS遺伝子変異の影響を解析し、最新のTNM分類(第7版)をレトロスペクティブなコホートに適用した。過去の臨床試験では、II期からIIIA期のNSCLCの患者において、白金系抗癌剤ベースの術後補助化学療法は有用であることが確認されている。

 今回の検討では、術後補助化学療法に関する2件の臨床試験、National Cancer Institute of Canada Clinical Trials GroupのJBR.10試験とCancer and Leukemia Group B-9633試験の対象のうち、T2a、T2b、T3の患者461人のデータが解析された。

 その結果、腫瘍サイズとDFSの間に正の相関が認められた(p=0.03)。有意差は得られなかったが、腫瘍サイズの増大に伴い、全生存期間(OS)に対する化学療法の効果も増す傾向がみられ、ハザード比はT2aで0.90(0.63-1.30)、T2bで0.69(0.38-1.24)、T3で0.57(0.28-1.17)だった。

 KRAS遺伝子変異は標本の27%に検出された。OSに対する化学療法の効果のハザード比は、T2aでKRAS野生型の患者の0.81(p=0.36)に対し、KRAS遺伝子変異型の患者は2.11(p=0.09、interaction p=0.05)だった。T2bからT3の患者でも同様の傾向がみられ、野生型の患者で0.86(p=0.62)、KRAS遺伝子変異型の患者で1.16(p=0.74、interaction p=0.58)だった。予後予測因子としてのKRASと腫瘍サイズの有意な相関はOSでは認められたが(p=0.01)、DFSでは認められなかった(p=0.10)。

 Cuffe氏は今回の検討について、「新たに細分化された腫瘍サイズが術後補助化学療法の効果に与える影響について、理解を改める必要性が強調された。病期の名称変更に応じて患者の治療を変更する医師が77%となった場合に、特に妥当と考えられる」と話した。