進行腎細胞癌に対するスニチニブ治療を受けた患者の予後を予測できる因子として、2コース以上の治療の継続および治療前CRP値が有効である可能性が示された。また、MSKCCリスク分類や転移部位数は全生存期間を予測する因子であることも明らかになった。

 大阪大学を中心とした大阪RCC治療研究会が行っている研究のうち、98例を対象とした検討結果から示されたもので、大阪労災病院泌尿器科の任幹夫氏が明らかにした。

 任氏らが解析した98例の患者背景は、年齢(中央値)65歳、観察期間(中央値)7.5カ月(範囲:0.5-31.7カ月)。腎摘除術を受けていたのは83例、転移巣数が1カ所だったのは44例、前治療歴があったのは62例、MSKCCリスク分類でFavorableは30例、Intermediateは45例、Poorは17例だった。スニチニブの開始用量は50mgが61例、減量して開始したのは37例だった。受療コース数は1コースが31例、2コース以上は67例。治療前CRPが1.0mg/dL未満だったのは53例、1.0mg/dL以上だったのは45例だった。

 この98例の無増悪生存期間(PFS)中央値は6.3カ月、全生存期間(OS)の中央値は26.6カ月だった。

 PFSに関する多変量解析を行った結果、スニチニブ治療を1コース受けた場合に比べて2コース以上受けた場合にPFSが延長することが示された。また、CRP値が1.0mg/dL未満に比べ、1.0mg/dL以上の場合にPFSが短くなることも示された。

 OSに関する多変量解析を行った結果、PFSと同様にスニチニブ治療の受療コース数(1コース:2コース以上)とCRP値(1.0mg/dLを境とする)が有意な因子として見出されたとともに、MSKCCのリスク分類と転移巣数(1カ所:複数)が有意な予後予測因子であることが示された。

 これらの結果から、2コース以上の治療継続およびCRP値1.0mg/dL未満であれば、良好なPFS、OSが予測されると考えられ、スニチニブ治療においては、2コース以上の治療継続を行うことが予後を延長させる重要な因子であると示唆された。

 この大阪RCC治療研究会の研究は、大阪大学、大阪府立成人病センター、大阪府立急性期総合医療センター、大阪労災病院、市立堺病院、市立豊中病院、住友病院、国立病院機構大阪医療センター、大阪警察病院、市立池田病院、県立西宮病院、近畿中央病院、大阪厚生年金病院、大手前病院、日生病院、井上病院が参加して実施された。