日本では去勢抵抗性前立腺癌に対し2008年にドセタキセルが承認されたが、海外でドセタキセルは、副腎皮質ホルモンのプレドニゾンとの併用で承認されている。

 今回、国立病院機構埼玉病院泌尿器科の金井邦光氏らは、去勢抵抗性前立腺癌に対するドセタキセルとプレドニゾロン併用療法の有効性を評価した。

 今回の解析対象は、2008年12月から2012年3月に同科でドセタキセルとプレドニゾロン併用療法を2コース以上実施した去勢抵抗性前立腺がん26症例。ドセタキセルは3週間以上の間隔をあけて70mg/m2を点滴静脈注射し、プレドニゾロンは10mg/日を連日内服。PSA値がすぐに低下しなかった場合でも、2〜4コースは治療を行って効果判定をした。またPSA値の減少率は、治療開始後で最も低かった値と治療前の値から算出した。

 前立腺癌診断時の患者背景は、年齢の中央値が72歳(55〜87歳)、PSA中央値は162.78ng/mL(8.06〜1165.44ng/mL)。グリソンスコアは8以上が73%を占めた。臨床病期はCが27%、D1が12%、D2が61%。初期治療で内分泌療法を選択した患者は88%だった。

 ドセタキセル開始時の年齢中央値は76歳(59〜88歳)、PSA中央値は33.48ng/mL(2.82〜2142.04ng/mL)。NASAIDsを使用している患者は23%。エストラムスチン使用歴のある患者は31%だった。ドセタキセルの投与回数中央値は5(2〜33)、観察期間中央値は11カ月(2〜31カ月)。

 その結果、生存期間中央値は19.5カ月で、1年生存率は63%だった。ドセタキセル+プレドニゾロン療法によって、77%の患者でPSA値が低下した。PSAが最低値に達するまでの期間中央値は3カ月(1〜11カ月)だった。

 さらに、PSA値の低下率をみると、30%以上低下したのは全患者の61%、50%以上の低下は全体の58%、70%以上の低下は全体の35%だった。PSA値が50%以上低下したグループは低下しなかったグループに比べて、統計学的に生存期間の有意な延長が認められた。

 副作用としては、グレード4の好中球減少が61%、グレード3の好中球減少が31%と高率で発生しており、85%の患者でG-CSFを使用した。これについて金井氏は「38%の患者でドセタキセルの減量が必要となったが、80歳以上の高齢者でも施行可能だった」とコメントした。そのほか、グレード3の貧血、間質性肺炎、ARDSがそれぞれ4%(1例)で見られた。

 加えて、ドセタキセル療法開始後のPSA値と全生存期間の関係について検討したところ、PSA値が50%以上低下すると全生存期間が有意に延長することが認められ(p=0.0310)、PSA値が60%以上の低下で最もp値が低かった(p=0.0070)。

 ドセタキセル療法開始後の全生存期間に影響を与える因子を単変量解析した結果、癌診断時PSA値<100ng/mL、臨床病期≦D1、疼痛なし、治療開始前PSA値<60ng/mL、ヘモグロビン値>12.0g/dL、ALP≦基準値×1.5、PSA値が60%以上低下した患者では生存期間の有意な延長が見られた。

 さらに多変量解析した結果、治療開始時のPSA値(<60 ng/mL)が生存期間を延長させる有意な予後予測因子だった(ハザード比は18.283、p=0.0005)。

 金井氏は今後について「さらに症例を集積し、ドセタキセル+プレドニゾロン併用療法の治療予後を予測する有意な因子を検討したい」と語っている。