進行腎細胞癌に対するスニチニブ治療において、治療前のCRP値が治療効果および無増悪生存期間を予測する因子となる可能性が明らかとなった。北里大学泌尿器科学の藤田哲夫氏らの研究の結果。

 進行腎細胞癌治療における予後予測因子として、免疫療法に対してはC反応性蛋白(CRP)が有効であることが示されている。現状では、分子標的治療薬の予後予測因子はまだ確立していないことから、藤田氏らは腎細胞癌に対する分子標的薬を用いた治療においてもCRPが有効と考え、スニチニブ治療におけるCRPの有用性について検討した。

 そこで、2008年12月から2011年8月に、スニチニブ治療を受けた41例を対象に解析を行った。スニチニブは1日1回50mgを4週内服、2週休薬で投与した。組織型は淡明細胞癌、男性が73.2%、年齢は64歳(中央値)、PSが0だったのが73.2%、MSKCCのリスク分類ではFavorableが19.5%、Intermediateが58.5%、Poorが22.0%、治療前CRPは正常(0.30mg/dL以下)が31.7%、高値(0.30mg/dL超)が68.3%だった。腎摘除術を受けていたのは82.9%で、免疫療法を受けていたのは56.1%、ソラフェニブ治療を受けていたのは36.6%だった。転移巣で最も多かったのは肺で80.5%、骨転移34.1%、リンパ節転移24.4%、脳転移9.8%などで、転移巣数は2カ所以上が63.4%。スニチニブ治療がファーストライン治療だったのは39.0%で、セカンドライン治療だったのは29.3%だった。

 検討の結果、41例のうち、部分奏効(PR)が得られたのは11例(26.8%)、安定(SD)が得られたのは10例(24.4%)で、無増悪生存期間中央値は12.0カ月だった。

 治療効果に対する単変量、多変量解析を行った結果、単変量解析では、MSKCCでPoorリスク以外、CRP正常値、有害事象としての手足皮膚症候群、味覚障害、倦怠感、白血球減少の発生が有意な因子だった。多変量解析を行った結果、CRP正常値のみが有意な因子として残った。

 治療前CRP値を検査キットによる正常値の境界となっている0.3mg/dLで2グループに分類し、0.30mg/dL以下と0.30mg/dL超で分けて解析を行った結果、MSKCCによるリスク分類についてCRP高値例はCRP正常値例に比べて有意にPoorリスクが多かった。また、CRP高値例はCRP正常値例に比べてPR+SD例が有意に少なかった。

 無増悪生存期間(PFS)について検討した結果、CRP正常値グループのPFS中央値は19.0カ月だったのに対して、高値グループは6.0カ月で、有意に予後が悪かった。

 こうした結果から、スニチニブ治療において、治療前のCRP値が治療効果および無増悪生存期間を予測する因子となり得る可能性があると示唆された。