多発性骨髄腫に対し、レナリドミドのメンテナンス療法を検討した3つの多施設共同無作為化二重盲検フェーズ3試験の最新データが、New England Journal of Medicine誌5月10日号に掲載された。いずれの試験でもレナリドミドによって増悪リスクが低減され、無増悪生存が改善することが確認された。

 3つの試験は、造血幹細胞移植後にメンテナンス療法としてレナリドミドもしくはプラセボを投与した2試験(CALGB 100104試験、IFM 2005-02試験)と、移植ができない高齢患者を対象にレナリドミドのメンテナンス療法を行った試験(MM-015試験)。

 CALGB 100104試験の結果は、米Roswell Park Cancer InstituteのPhilip McCarthy氏らが報告した。71歳以下の初発多発性骨髄腫で、自家幹細胞移植(ASCT)後100日目の効果判定でSD以上の患者460人を対象に、無作為に2群に割り付け、レナリドミド10mg/日(231人)もしくはプラセボ(229人)を病勢進行まで投与した。中間解析で主要評価項目(無増悪生存期間:TTP)に達したことから2009年に試験は非盲検化され、その後プラセボ群の86人はレナリドミド治療を受けた。

 2011年10月31日の時点で、フォローアップ期間中央値は34カ月。TTP中央値はレナリドミド群が46カ月、プラセボ群は27カ月(p<0.001)。死亡はレナリドミド群が35人(15%)、プラセボ群が53人(23%)(p=0.03)で、3年生存率はレナリドミド群では88%、プラセボ群は80%だった。グレード3/4の有害事象はレナリドミド群で多かった。

 IFM 2005-02試験は、フランスHopital PurpanのMichel Attal氏らによって報告された。試験は65歳以下でASCT後に病勢進行していない患者614人を対象に、レナリドミド 25 mg/日による地固め療法の後に、メンテナンス療法としてレナリドミド10-15mg/日(307人)もしくはプラセボ(307人)を再発まで投与した。この試験も中間解析で主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を改善することが示されたため、2010年7月に非盲検となった。

 2011年10月1日の時点で、無作為化後のフォローアップ期間中央値は45カ月。4年PFS率はレナリドミド群で43%、プラセボ群は22%(p<0.001)。死亡はレナリドミド群が79人(26%)、プラセボ群が73人(24%)(p=0.70)で、4年生存率がそれぞれ73%、75%であり、「2群間の全生存はほぼ同等である」とした。グレード3/4の有害事象はレナリドミド群が多かったが、末梢神経障害は2群とも1%であった。

 MM-015試験の結果は、イタリアUniversity of TurinのAntonio Palumbo氏らが報告した。この試験は他の2試験と異なり、65歳以上の初発多発性骨髄腫患者で移植の適応とならない459人を対象としている。

 患者を3群に分け、導入療法としてMPR療法(メルファラン、プレドニゾン、レナリドミド)を投与し、レナリドミドによるメンテナンス療法を行う(MPR-R群:152人)、あるいはMPR療法の後にプラセボを投与する(MPR群:153人)、あるいは導入療法にメルファランとプレドニゾンのみを投与し、メンテナンス療法にはプラセボを投与した(MP群:154人)。

 フォローアップ期間中央値30カ月において、主要評価項目であるPFSの中央値はMPR-R群で31カ月、MPR群は14カ月、MP群は13カ月で、MPR-R群のPFSはMPR群およびMP群に対し有意に延長した(いずれもp<0.001)。なお65-75歳の患者では、MPR-R群のPFSは有意に良好だが、75歳超の患者では有意ではなかった。3年生存率はMPR-R群で70%、MPR群は62%、MP群は66%であった。またレナリドミドによるメンテナンス療法は、プラセボに比べて増悪リスクを66%低下させることも示された。

 導入療法における主なグレード3/4の有害事象は血液毒性で、これはレナリドミド治療群のほうがMP群に比べて多かった。メンテナンス療法ではMPR-R群でグレード3/4の有害事象は0-6%と少なかった。