CD30陽性、再発性皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)を対象としたbrentuximab vedotin(商品名Adcetris)のフェーズ3試験が開始される。5月7日、製造元である米Millenium社と米Seattle Genetics社が発表した。試験ではCD30診断法の評価も同時に行われる。

 Brentuximab vedotinは、腫瘍抗原CD30を標的として抗癌剤を送達後、放出する抗体-薬物複合体(antibody-drug conjugate:ADC)。2011年8月に難治性のホジキンリンパ腫および全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)治療薬として米食品医薬品局(FDA)に迅速承認された。

 CTCLを対象とした今回の非盲検ランダム化フェーズ3試験では、既治療でCD30陽性の皮膚原発未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)および菌状息肉腫(MF)患者124人を登録し、brentuximab vedotinと、メトトレキサートまたはベクサロテン(bexarotene)とを比較する。

 主要エンドポイントは全奏効率(4カ月以上継続)、二次エンドポイントは無増悪生存期間(PFS)と完全寛解率(CR)。試験は米国をはじめ、欧州、豪州、ブラジルで実施される。

 ホジキンリンパ腫や成熟型T細胞リンパ腫の初回治療のフェーズ3試験を含めた多くの進行中の試験に、今回さらに枢要なCTCLの試験が加わることとなる。

 CD30は腫瘍壊死因子(TNF)受容体ファミリーに属し、ホジキンリンパ腫およびALCLなどに特徴的にみられる活性化T細胞/B細胞の受容体で、正常細胞にはほとんど存在しない。CTCL患者では最高50%程度に発現しているとの報告がある。

 安全性については、2012年1月にFDAは重篤な脳内感染である進行性多巣性白質脳症(PML)3例の報告を薬剤添付文書に黒枠警告で追加した。また抗癌剤ブレオマイシンとの併用で咳、息切れなどの肺毒性が増加することから同剤との併用は禁忌とした。

 brentuximab vedotinはSeattle社が発見、武田薬品工業の全額出資子会社であるMillennium Pharmaceuticals社と共同で開発を進めてきた。武田薬品工業は09年12月にSeattle社から、米国・カナダを除く全世界を対象とした独占的販売権を得ている。