米国食品医薬品局(FDA)は4月26日、結節性硬化症 (TSC)に伴う腎臓の良性腫瘍である腎血管筋脂肪腫(renal angiomyolipoma)の治療薬として、エベロリムスを承認したと発表した。腎血管筋脂肪腫に対する治療薬としては初めての承認となる。

 TSCはまれな遺伝性の疾患で、脳や腎臓などの器官に良性腫瘍ができる。患者の70-80%では腎病変を有する。腎血管筋脂肪腫は血管や平滑筋、脂肪成分からなる良性腫瘍だが、血管筋脂肪腫が大きくなると、腎不全や出血を起こす。

 エベロリムスはmTORキナーゼの活性を阻害することで、結節性硬化症患者におこる良性腫瘍の発育や増大を抑える。FDAでは結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫および脳室上衣下巨大細胞性星状細胞腫(SEGA)に対し、エベロリムスを2009年にオーファンドラッグに指定した。

 エベロリムスの効果と安全性は、二重盲検プラセボ対照臨床試験で検証された。対象とした118人のうち、3分の2にはエベロリムス、3分の1にはプラセボを投与した。治療は最長4年継続された。プラセボ群で試験中に腫瘍が増大した患者はエベロリムス治療を受けた。

 全ての患者で両側の腎臓に腫瘍があり、40%の患者は腫瘍出血に対する治療を受けた。試験では治療後に腫瘍が縮小もしくは消失した患者の割合を評価した。患者の半数は治療期間が8カ月以内であった。この結果、エベロリムス群では42%の患者が5カ月以上にわたり腫瘍縮小が見られたが、プラセボ群では腫瘍縮小はなかった。

 早期に高い腫瘍縮小率が示されたことから、エベロリムスは迅速承認が認められた。ただし承認条件として、4年以上の患者のフォローアップを行い、奏効期間、ならびに手術の実施や病勢コントロールへの影響を明らかにすることとされた。

 エベロリムスの主な有害事象は、口内炎や口内痛、悪心、嘔吐、皮膚障害、咳、頭痛、下痢、腹痛、関節痛、四肢の腫れ、上気道感染だった。また女性の15%で、試験中に生理周期が1回以上なかった。