転移を有する腎細胞癌症例に対する1次治療として、ソラフェニブスニチニブのどちらを用いればより長い無増悪生存期間(PFS)が得られるかを同定するために実施されているクロスオーバーランダム化試験、CROSS-J-RCCの中間解析結果が明らかとなった。1次治療のPFS中央値はソラフェニブ先行群が5.6カ月、スニチニブ先行群は10.5カ月で、これまでの報告とほぼ同様だった。

 CROSS-J-RCC試験は多施設共同、ランダム化、非盲検並行群間比較試験。2009年9月から開始され、登録期間が3年、観察期間は3年とされている。MSKCCリスク分類で良好、中間の、全身状態が比較的良い患者を60人ずつ2群に分ける。1群はスニチニブ(1日あたり50?を4週間投与、2週間休薬)を先に投与し、増悪か副作用で投与が継続できなくなったらソラフェニブ(1日あたり800?)を投与、もう1群はソラフェニブを先に投与し、スニチニブを後で投与することとされている。主要評価項目は1剤目のPFSで、副次評価項目は2次治療のPFS、1次治療と2次治療全体でのPFS、全生存期間、臨床利益率、副作用だった。

 2012年4月16日時点で112症例が登録されている。今回の第1回中間解析は60症例登録終了時に行われたもの。解析対象は60人(スニチニブ先行群が29人、ソラフェニブ先行群が31人)で、年齢中央値は67.5歳(43-79)、観察期間中央値は6.8カ月(0.4-13.1)。生存が51人で死亡が7人、不明が2人だった。

 ソラフェニブ先行群は11人が1次治療中で、終了した18人中11人が2次治療に移行、6人が脱落した。スニチニブ先行群は15人が1次治療中で、終了した14人中12人が2次治療に移行、8人が脱落した。

 1次治療期間の中央値は、ソラフェニブ先行群で5.5±0.8カ月、スニチニブ先行群で10.5±0.8カ月だった。

 スニチニブ先行群はソラフェニブ先行群に比べて疲労の割合が高かった(スニチニブ群のみグレード3が12%、グレード4が8%)。またソラフェニブ先行群ではグレード4(4%)、5(4%)の消化管穿孔が確認された。

 この結果は4月に横浜市で開催された日本泌尿器科学会で、弘前大学泌尿器科の古家琢也氏によって発表された。