スニチニブやサイトカインなどによる治療歴がある日本人の進行性腎細胞患者でも、axitinibはソラフェニブに比べて、有意に無増悪生存期間(PFS)を延長できることが明らかとなった。日本も参加したフェーズ3試験AXISの、日本人患者のサブグループ解析の結果から示された。

 axitinibは、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体1、2、3を選択的に阻害する経口剤。AXIS試験には、米国、欧州、日本などから、前治療の後に病勢が進行した淡明細胞型の腎細胞癌患者723人が登録された。患者を無作為に2群に分け、axitinib(開始用量は5mg 1日2回)もしくはソラフェニブ(400mg 1日2回)を投与した。 日本人はスニチニブ群に25人、ソラフェニブ群に29人が割り付けられた。前治療は、全体では両群ともスニチニブを含む治療が54%、サイトカインが35%、ベバシズマブが8%、テムシロリムスが3%。日本人ではaxitinib群はスニチニブを含む治療が20%、サイトカインが80%、ソラフェニブ群はスニチニブを含む治療が31%、サイトカインが69%だった。

 主要評価項目であるPFSは、独立審査委員会の判定では、全体では中央値がaxitinib群は6.7カ月(95%信頼区間 6.3-8.6)、ソラフェニブ群は4.7カ月(95%信頼区間 4.6-5.6)で、axitinib群で有意に延長した(ハザード比 0.665、95%信頼区間 0.544-0.812、p<0.0001)。日本人では中央値がaxitinib群は12.1カ月(95%信頼区間 8.6-NE)、ソラフェニブ群は4.9カ月(95%信頼区間 2.8-6.6)で、axitinib群で有意に延長した(ハザード比 0.390、95%信頼区間 0.130-1.173、p=0.0401)。

 前治療別のPFS中央値(独立審査委員会の判定)は、サイトカイン治療歴の患者(251人)では全体でaxitinib群が12.1カ月、ソラフェニブ群が6.5カ月(p<0.0001)、日本人サブグループではaxitinib群が12.1カ月、ソラフェニブ群が6.6カ月(p=0.0085)だった。スニチニブ治療歴の患者(389人)では全体で4.8カ月と3.4カ月(p=0.0107)、日本人サブグループでは4.7カ月と2.8カ月(p=0.5175)だった。

 日本人で腫瘍サイズが30%以上縮小したのはaxitinib群15人(60%)、ソラフェニブ群は2人(7%)だった。奏効率は全体でaxitinib群は19.4%、ソラフェニブ群は9.4%(p=0.0001)で、日本人ではaxitinib群は52.0%、ソラフェニブ群は3.4%だった(p=0.0001)。

 日本人でのaxitinibの副作用プロフィールは、全体と同様だったが、高血圧、発声困難、手足症候群、甲状腺機能低下症、口内炎が日本人に多かった。

 用量強度をみても日本人のaxitinib投与群は89%、ソラフェニブは69%と、副作用の少なさを裏付ける結果となった。

 この結果は4月に横浜市で開催された日本泌尿器科学会で、近畿大学泌尿器科教授の植村天受氏によって発表された。