日本人の大腸癌肝転移患者にFOLFOXIRIベバシズマブを併用することで、R0切除が可能になった例が報告された。フェーズ1/2試験の途中経過で示されたもの。6人中4人でR0切除が可能になった。成果は3月31日から4月4日にシカゴで開催された米国癌研究会議(AACR)で、横浜市立大学の市川靖史氏によって発表された。

 発表された試験は、横浜市立大学で行われているもの。対象となる患者は、4個を超える肝限局転移を持つ進行大腸癌患者。イリノテカンの量を増加させていくフェーズ1試験だ。フェーズ1のレベル1は、2週間を1サイクルとして、ベバシズマブ5mg/kg、イリノテカン150/m2、オキサリプラチン85m2、ロイコボリン200/m2、5-FU 400/m2のボーラス投与をそれぞれ1日目に、5-FU 2400/m2の持続静注を1日目から46時間行った。

 レベル1の投与を受けた6人(年齢中央値63.5歳、肝転移数中央値9)のうち、1人がグレード3の下痢で用量制限毒性となり中止されたが、5人(腫瘍数は60)は3サイクルを超える投薬を受け、臨床効果が確認された。5人全員で30%を超える腫瘍縮小があり、うち1人は67%の減少が見られた。血清中CEAレベルも化学療法後に全員が低下していた。60個の腫瘍のうち4個が臨床的完全奏効(CR)となり、36個(60%)で30%を超える縮小が認められた。

 5人のうち、4人でR0切除ができた。市川氏によると、試験に参加した患者には、かなり無理をすれば最初から切除できた可能性がある患者もいたという。

 4人の患者から切除された39個の腫瘍のうち、38%が病理学的CR(TRG1)だった。日本の病理学的基準でグレード2、3は74%だった(グレード0が3%、1bは18%)。一方、腫瘍の周囲に癌が残存していたTRG3も31%あった。このことから市川氏は、腫瘍が有意に縮小しても、切除は余地を含んで行われなければいけないとした。