アボットジャパンは、4月2日、EML4-ALK融合遺伝子陽性の進行性非小細胞肺癌に対する治療薬として3月末に承認されたクリゾチニブの投薬が有効であると考えられる患者の選択に用いる診断薬キット(製品名「Vysis ALK Break Apart FISHプローブキット」)が体外診断用医薬品として製造販売承認を取得したと発表した。

 このキットは蛍光in-situハイブリダイゼーション(FISH)によりALK融合遺伝子を検出するもので、クリゾチニブ投薬の際の患者選択を目的とした診断薬として承認を取得した。同社は、5月に販売開始を予定している。

 なお、クリゾチニブの製造販売承認を取得したファイザーは、クリゾチニブが薬価収載され、発売するまでの期間に、施設は限定するもののクリゾチニブを提供するプログラムを実施する方針であることを明らかにしている。アボットジャパンによれば、このファイザーのクリゾチニブ提供プログラムの一環として、FISH診断薬キットを検査会社に提供する体制を整えているという。そのため、クリゾチニブ発売前でも、ファイザーのクリゾチニブ提供プログラムに参加した場合にはアボットの検査キットを使用できることになる。

 非小細胞肺癌患者におけるALK融合遺伝子の検査については、日本肺癌学会が“肺癌患者におけるALK遺伝子検査のてびき”をまとめ、ALK遺伝子検査のアルゴリズムを作成している。

 このアルゴリズムでは、まず免疫染色法によってALK融合遺伝子の産物であるたんぱく質を評価する。免疫染色で陽性の結果が得られれば、FISHによってALK遺伝子が転座したこと(つまりALK融合遺伝子ができてしまったこと)を検出するという手順を示している。免疫染色が陰性であっても、40歳以下で非喫煙者、粘液産生を伴う篩状増生パターンを示す腺癌、印環細胞癌、TTF-1陽性粘液産生性腺癌など形態学的特徴を示しALK融合遺伝子陽性肺癌が疑われる場合はFISHによる確認を行ってもよい、としている。

 またてびきでは、「検査には一長一短があり、2つ以上の検査を組み合わせて診断することが望ましい」としている。なお、FISHによるALK融合遺伝子の検出について保険点数は6520点(6万5200円)とされた。免疫染色については、保険点数として一般免疫染色の400点が代用されることになる。