高リスクの急性骨髄性白血病(AML)にプロテアソーム阻害剤ボルテゾミブとdecitabineの併用が有効である可能性が明らかとなった。フェーズ1試験で有望な結果が得られたもの。FLT3を標的にした新しい治療法になる可能性がある。成果は3月31日から4月4日にシカゴで開催されている米国癌研究会議(AACR)で、米Ohio State UniversityのSebastian Schwind氏によって発表された。

 研究グループは、in vitroの実験でボルテゾミブがマイクロRNAであるmiR-29bの発現を上げることで、SP1、NFκB(p65)がFLT3のプロモーター領域に結合することを阻害し、FLT3発現を低減させることを見出した。さらにボルテゾミブとdecitabineがFLT3の発現を低下させることも細胞レベルで確認した。

 AML患者ではFLT3が過剰に発現しており、25%から40%の患者でFLT3の遺伝子内縦列重複変異がある。この変異を持つ患者ではFLT3が恒常的に活性化し、白血球の分化増殖を繰り返す。FLT3に変異を持つ患者は予後が悪く、化学療法や造血前駆細胞移植を含む既存治療への応答性も悪いといわれている。

 ボルテゾミブとdecitabineを併用するフェーズ1試験は高リスクの再発AML患者または60歳超の標準療法に適さない未治療AML患者を対象に実施された。患者には28日間を1サイクルとし、1日目から10日目までdecitabine20/m2を投与し、レベル1ではボルテゾミブ1.0/m2を5日目と8日目に、レベル2ではボルテゾミブ1.0/m2を5日目と8日目と12日目と15日目に、レベル3ではボルテゾミブ1.3/m2を5日目と8日目と12日目と15日目に投与した。CR(完全寛解)もしくはCRi(骨髄中の芽球が5%未満だが血液学的に回復していない状態)が得られた場合には、維持療法として、ボルテゾミブは同じ用法・用量で、decitabineは1日目から5日目まで投与することとした。患者は19人が登録され、年齢中央値は70(32-84)、未治療が10人、再発が9人だった。

 試験の結果、発熱性好中球減少症と感染性の合併症が多く見られた(19人中11人)。1から2サイクルではグレード3以上の非血液学的な副作用は認められなかった。

 寛解率は未治療患者で50%(10人中5人)、全体で37%(19人中7人)だった。