再発低グレード漿液性卵巣癌、腹膜癌に低分子MEK阻害剤であるselumetinib(AZD6244,ARRY-14286)が有効である可能性が明らかとなった。Gynecologic Oncology Group(GOG)が実施したオープンラベルフェーズ2試験の結果、高い疾患制御率が示されたもの。成果は3月31日から4月4日にシカゴで開催されている米国癌研究会議(AACR)で、米St.Joseph's Hospital and Medical CenterのJohn H.Farley氏によって発表された。

 低グレード漿液性卵巣癌は高グレードと比べて年齢が若く、生存期間は長いが、白金系抗癌剤の奏効率が低いことが分かっている。また低グレード癌はMAPキナーゼ経路が主に増殖に関与しており、KRAS、BRAFの変異が60%から70%に認められる。

 selumetinibは非ATP競合型MAPキナーゼ(MEK-1/2)を選択的に阻害する経口薬。

 フェーズ2試験は低グレードの再発漿液性卵巣癌または腹膜癌患者を対象に、4週間を1サイクルとして、selumetinib100咾1日2回、病状が進行するか副作用のために中止せざるを得なくなるまで投与された。2007年12月から2009年11月までに52人が登録された。患者の58%が少なくとも3レジメンの前化学療法歴があった。

 試験の結果、完全奏効(CR)が1人、部分奏効(PR)が7人で、奏効率は15.4%となった。また65%にあたる34人が病勢安定(SD)になり、疾患制御率は81%だった。無増悪生存期間(PFS)中央値は11.0カ月。投与サイクル中央値は4.5で、患者の33%が少なくとも12サイクルの投与を受けた。52人中33人(63%)が6カ月超のPFSを得ることができた。過去に行われた化学療法、ホルモン療法の試験結果と比べて、3レジメン以上の化学療法歴をもつ患者の比率が多いにも関わらず、PFS中央値は4カ月近く長くなっていた。

 グレード4の副作用は3件あり、循環器系(1人)、呼吸器系(1人)、疼痛(1人)だった。多く見られたグレード3の副作用は胃腸関連(13人)、皮膚関連(9人)だった。

 34人の患者で変異解析に十分な量のDNAが採取され、BRAF変異は6%、KRAS変異は41%、NRAS変異は15%で、35%は変異がなかった。変異と抗腫瘍効果の間には有意な関連はなかった。