進行膵癌にファーストライン治療として、ゲムシタビンと低酸素下で活性化されるTH-302を併用投与すると、ゲムシタビン単剤よりも無増悪生存期間(PFS)を延長できる可能性があることが明らかとなった。多施設で行われたフェーズ2B試験NCT01144455の結果、示されたもの。成果は3月31日から4月4日にシカゴで開催されている米国癌研究会議(AACR)で、カナダUniversity of TorontoのMalcolm J. Moore氏によって発表された。

 NCT01144455試験は、局所進行または転移性の膵癌患者214人を対象に実施された。患者は、TH-302を240mg/m2とゲムシタビン1000?/m2を併用する群(71人)、TH-302を340mg/m2とゲムシタビン1000?/m2を併用する群(74人)、ゲムシタビン単剤を投与する群(69人)の3群に割り付けられた。局所進行手術不能患者はTH-302の240mg/m2併用群で16人(23%)、340mg/m2併用群で20人(27%)、単剤群は14人(20%)で差があった。全身状態は240mg/m2併用群が他の2群よりも良かった。ベースラインのCA19-9値中央値は240mg/m2併用群が2575、340mg/m2併用群は2391、単剤群は1291で差があった。

 TH-302、ゲムシタビンは共に28日間を1サイクルとして、1日目、8日目、15日目に投与された。単剤群の患者に進行を認めた場合、TH-302を併用するいずれかの群へのクロスオーバーを可とした。

 試験の主要評価項目はPFSと安全性、副次的評価項目は奏効率、全生存期間(OS)、CA19-9値の変化、全生存期間などだったが、全生存期間のデータは今回は発表されなかった。
 
 試験の結果、PFS中央値は、併用2群で5.6カ月、ゲムシタビン単剤群で3.6カ月だった。併用群の単剤群に対するPFSのハザード比は0.61(95%信頼区間:0.43-0.87)で、有意差がみられた(p=0.005)。併用群を分けると240mg/m2併用群が5.5カ月、360mg/m2併用群が6.0カ月で、単剤群に対するハザード比は240mg/m2併用群が0.64(95%信頼区間:0.43-0.96)、p=0.031、340mg/m2併用群が0.58(95%信頼区間:0.39-0.87)、p=0.008だった。

 転移を有する患者に限定すると、単剤群(55人)はPFS中央値が3.5カ月(95%信頼区間:2.1-4.1)、併用群(109人)は5.1カ月(95%信頼区間:3.9-5.6)でハザード比は0.62(95%信頼区間:0.42-0.90)、p=0.012となった。局所進行に限定すると症例数が少ないためか有意差はつかなかった。

 奏効率は単剤群が12%、240mg/m2併用群が17%、340mg/m2併用群が27%で、340mg/m2併用群で1人完全奏効が認められた。CA19-9値の平均変化値は、単剤群が-523、240mg/m2併用群が-3909、340mg/m2併用群が-5385だった。

 安全性プロファイルで、併用群に多くみられた非血液学的毒性は皮疹(単剤群14%、240mg/m2併用群39%、340mg/m2併用群45%)と口内炎(単剤群6%、240mg/m2併用群17%、340mg/m2併用群36%)で用量依存的に副作用の割合が高くなった。グレード3/4の血液学的な副作用は、血小板減少が単剤群11%、240mg/m2併用群39%、340mg/m2併用群59%、好中球減少が単剤群28%、240mg/m2併用群56%、340mg/m2併用群59%、ヘモグロビン減少が単剤群6%、240mg/m2併用群20%、340mg/m2併用群27%と併用群に多くしかも用量依存的だった。