米Memorial sloan-Kettering Cancer CenterのIngo K.Mellinghoff氏は、米University of California Los AngelesのTim Cloughesy氏らと共同で、神経膠腫(GBM)患者を対象に高用量間欠的にラパチニブを投与する臨床試験を開始する予定であることを明らかにした。シカゴで開催されている米国癌研究会議(AACR)の31日午後のプレスカンファレンスで公表したもの。

 Mellinghoff氏によると、GBM患者の約30%から35%で上皮細胞成長因子受容体(EGFR)の細胞外ドメインに変異(欠失とT263P、A285V/D)があり、GBM細胞の生存を支えているという。

 肺癌で起きている変異はリン酸化酵素ドメインであるため、肺癌で使用されているエルロチニブ(1型EGFRTKI、活性型)は細胞外ドメインに変異を持つGBM細胞には抑制効果を示さない。これに対して乳癌で用いられているラパチニブ(2型EGFRTKI、不活性型)は細胞外ドメインに変異を持つGBM細胞の増殖を抑制できることを、細胞株を用いた実験で確認した。

 しかし、その後に行った再発GBM患者を対象にラパチニブ750咾1日2回投与した臨床試験では、有用性を示すことができなかった。腫瘍内のラパチニブ濃度を調べてみたところ、in vitroで細胞死を引き起こす濃度よりも低いことが分かった。また、実施された臨床試験ではEGFRの変異の有無は調べられていなかった。

 そのため、乳癌のフェーズ1試験で得られた最大耐量を間欠的に投与する新しい臨床試験を計画している。7日間を1サイクルとして、1日目と2日目に2500咾離薀僖船縫屬1日2回投与するもの。

 研究グループは、他の癌で開発が進められている新規の2型EGFR-TKIを前臨床試験で評価することも考えている。

 GBMのEGFR変異と肺癌のEGFR変異ではEGFR-TKIの効果が異なることを示したMellinghoff氏らの論文は、Cancer Discovery誌5月号に掲載される。