5冖にの非浸潤性乳管癌(DCIS:ductal carcinoma in situ)の患者に対し、乳房温存局所完全切除後に補助療法として乳房に放射線を当てることは、局所再発を抑えるだけでなく、浸潤性の乳癌の再発を抑制できることが長期間の観察で明らかとなった。無作為化フェーズ3試験EORTC10853の結果示されたもの。成果は3月21日から24日にオーストリア・ウィーンで開催されている第8回European Breast Cancer Conference(EBCC)で、オランダNetherlands Cancer InstituteのM.Donker氏によって発表された。

 フェーズ3試験は1986年から96年の間に、局所完全切除を受けた5冖に非浸潤性乳管癌患者1010人を無作為に、胸部全体に合計50Gy(25回)の放射線療法を受ける群(503人)と何もしない群(507人)に割り付けて行われた。

 観察期間中央値15.8年で、放射線を当てた群は局所再発のリスクを有意に低下させていた。ハザード比は0.52(95%信頼区間:0.40-0.68)、p<0.0001。15年時点の無局所再発率は、局所切除のみ群では69%だったが、放射線群では82%となった。DCISの局所再発は、ハザード比0.49(95%信頼区間:0.33-0.73)、p=0.0003、浸潤癌の局所再発はハザード比0.61(95%信頼区間:0.42-0.87)、p=0.0067と放射線群で有意にリスクが下がっていた。

 局所再発を術後からの期間で評価したところ、放射線によるDCISの局所再発抑制効果は、手術からの再発期間に関係はなく、浸潤性癌の局所再発抑制効果は主に最初の5年間で見られた。

 一方、両群間の局所再発の差はあったが、遠隔転移までの時間(p=0.972)、全生存率(p=0.931)には差がなかった。また、DCISの局所再発が起きた患者は、局所再発のなかった患者と予後には差がなかったが、浸潤性癌の局所再発を起こした患者は、起こさなかった患者に対して有意に予後が悪かった。全死亡に対するハザード比は5.17(p<0.0001)、乳癌関連死に対するハザード比は17.66となった(p<0.0001)。