ハイリスク早期乳癌患者で完全切除手術を受け、術後補助化学療法を受ける前に末梢血中に循環腫瘍細胞(CTC)が検出された患者は予後が悪い可能性が明らかとなった。大規模臨床試験SUCCESS Aの結果から判明したもの。3月21日から24日にオーストリア・ウィーンで開催されている第8回European Breast Cancer Conference(EBCC)で、ドイツKlinikum der Ludwig-Maximilians-UniversitaetのB.Jager氏によって発表された。

 研究グループは早期乳癌患者2026人について、原発巣を完全切除し、術後補助化学療法を受ける前に末梢血CTCを調べた。患者は原発乳癌でリンパ節陽性あるいはハイリスクリンパ節陰性患者とした。術後補助化学療法として、FECレジメン(3週おきに5-FU 500mg/m2、エピルビシン100?/m2、シクロホスファミド500?/m2)を3サイクル受け、ドセタキセル75?/m2、ゲムシタビン1000?/m2を3週おきに3サイクル受ける群と、FECレジメン3サイクルのあと、ドセタキセル100?/m2を3週間おきに3サイクル受ける群に無作為に割り付けられた。術後化学療法のあと、ゾレドロン酸を2年間投与する群と5年間投与する群に無作為に割り付けられた。患者の観察期間中央値は35カ月(0-54)だった。

 試験の結果、術後補助化学療法を受ける前に末梢血CTCが検出されたのは、21.5%(435人)だった。CTC陽性群とCTC陰性群で差を調べたところ、腋窩リンパ節転移の状態に有意な差があった(p<0.001)。CTC陰性群はpN0が35%、pN1が47%、pN2 が13.0%、pN3が5.0%だったが、陽性群はpN0が31.3%、pN1が40.9%、pN2 が16.5%、pN3が11.3%と、リンパ節転移が陽性群の方で広がっていた。腫瘍径、グレード、ホルモン受容体の状態、病理型、閉経状態、受けた全身療法には差はなかった。

 114人の患者で再発が起こり、66人の患者が乳癌で死亡した。全身化学療法前にCTCが陽性であることは、無病生存期間(p<0.0001)、無遠隔再発期間(p<0.001)、全生存期間(p=0.0002)について有意な予後不良因子だった。

 少なくとも5個のCTCが検出された患者では最も予後が不良で、再発のリスクが4倍(ハザード比4.0)、死亡のリスクが3倍(ハザード比3.1)になることが分かった。