FGF受容体1と抗体の定常部を融合させた蛋白製剤であるHGS1036 FP-1039)は単剤として忍容性があり、抗腫瘍効果がある可能性も示唆された。用量増多フェーズ1試験の最終結果で明らかとなったもの。成果は3月8日から10日にオランダアムステルダムで開催された10th International Congress on Targeted Anticancer Therapies(TAT2012)で、米South Texas Accelerated Research TherapeuticsのA.W. Tolcher氏によって発表された。

 FGFの情報伝達系は4種類の受容体と22種類のリガンドがあり、複雑なことが分かっている。また多くの癌種で受容体、リガンドの過剰発現が報告されている。HGS1036は6種類のFGF以外は結合できるため、癌細胞の増殖抑制、抗血管新生作用が期待されている。

 フェーズ1試験は成人の進行、転移固形癌患者に6週を1サイクルとして、最初の4週に週1回HGS1036を投与することで行われた。試験に参加したのは39人で、年齢中央値は64歳、女性が24人だった。前治療レジメン数中央値は4(0-11)だった。癌種は肉腫が9人、乳癌が7人、大腸癌が6人、前立腺癌が5人などだった。

 最初、HGS1036の量を1/kgで開始したが、当初の用量制限毒性(DLT)基準では3人で2件のDLTが発現したため、DLT基準を変更して試験を再開した。投与量は0.5/kg(6人、DLTは0)、0.75/kg(6人、DLTは1件)、1/kg(3人、DLTは0)、2/kg(3人、DLTは0)、4/kg(3人、DLTは0)、8/kg(5人、DLTは0)、16/kg(10人、DLTは1件)とされた。基準変更後のDLTは0.75/kgの蕁麻疹、16/kgの神経障害の悪化だけだった。

 血中のFGF-2レベルは0.5/kg群、1/kg群、8/kg群のいずれでも投与後速やかに低下した。

 ホルモン療法、ドセタキセルベースの化学療法を受けた前立腺癌患者1人で20%以下だが腫瘍の縮小が認められた。その他、15人が病勢安定(SD)となった。

 Tolcher氏はHGS1036の今後の展開として、FGF受容体1遺伝子の増幅が肺癌で認められることから、細胞傷害性抗癌剤との併用が考えられるとした。また、抗VEGF療法の抵抗性の原因としてFGF経路の関与が指摘されており、HGS1036のフェーズ1で高血圧、蛋白尿は見られなかったことから、ベバシズマブとの併用も期待できるとした。