欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)は、2012年2月19日、米Cell Therapeutics社(CTI社)の「Pixuvri」(pixantrone:マレイン酸ピクサントロン)に関する市販許可申請に対して、条件付きでの承認を支持した。同社は2-3か月のうちに欧州委員会の承認を得られると予想している。

 承認されれば、「Pixuvri」は、多発性再発または難治性で悪性度の高いB細胞性非ホジキンリンパ腫の成人患者に単剤での適用が可能な初めての薬剤になる。現在のところ、この種の患者に対する有効性が証明された治療はない。

 「Pixuvri」は、アントラサイクリンの抗癌活性は維持しながら、心臓毒性を低減することを目指して設計された薬剤で、進行抑制や症状管理を目的として投与されることになっている。

 無作為化フェーズ3 EXTEND試験(PIX301)は、再発性または難治性で悪性度の高いB細胞性非ホジキンリンパ腫患者のうち、複数の薬剤を併用する化学療法を2種類以上受けている人々を登録、「Pixuvri」または標準的な化学療法剤を投与したもので、「Pixuvri」群における無増悪生存期間(PFS)の有意な延長が示されている。

 「Pixuvri」に適用される見込みの条件付き承認とは、CHMPが、申請データの種類や量は十分ではないが、リスクと利益のバランスが良好で、現時点では治療の選択肢が無い疾患を適応としており、市販されれば公衆衛生上有意な利益がもたらされると見なした製品に対して与えるもので、期限は1年となっている。1年毎の更新は可能だが、申請者はできるだけ早く十分なデータを提出する必要があり、データが全て揃った段階で条件付き承認は通常の承認に切り替えられる。

 CTI社には、この製品の臨床利益を確認するための市販後試験の実施と、現在進行中のPIX306試験の結果を2015年6月までに提出することが求められる。

 PIX306試験では、悪性度の高い非ホジキンリンパ腫で、第一選択であるR-CHOP後に再発、自己幹細胞移植は適応にならない患者に、「Pixuvri」/リツキシマブまたはゲムシタビン/リツキシマブを投与した場合の有効性と安全性が比較されている。