スイスHoffmann-La Roche社グループの米Genentech社は2月8日、pertuzumabがHER2陽性転移性乳癌(mBC)に米食品医薬品局(FDA)の優先審査対象として指定を受けたと発表した。未治療または術後補助療法後再発した切除不能、転移/局所再発性HER2陽性乳癌に、化学療法剤ドセタキセル+トラスツズマブと併用で投与する。

 この承認は、CLEOPATRA(CLinical Evaluation Of Pertuzumab And TRAstuzumab)と呼ばれるフェーズ3国際ランダム化比較試験のデータに基づく。pertuzumab、トラスツズマブ、ドセタキセル3剤療法群では、pertuzumabを併用しない群と比べて無増悪生存期間(PFS)中央値が6.1カ月延長した(18.5カ月Vs.12.4カ月)。また併用群では、増悪および死亡リスクが38%低下した(ハザード比=0.62、p<0.0001)。

 奏効率(ORR)は、pertuzumab群80.2%、プラセボ群69.3%(p=0.0011)で、CR率はそれぞれ5.5%、4.2%だった。

 有害事象は前回のpertuzumab/トラスツズマブ試験とほぼ同様に、下痢、ほてり、粘膜炎症、発熱性好中球減少、ドライスキンなどであった。グレード3以上では、発熱性好中球減少および下痢がペルツズマブ群で多くみられた。懸念された心毒性についてはpertuzumab追加群で増加は認められなかった。

 Pertuzumabは、HER二量体化阻害ヒト化モノクローナル抗体で、トラスツズマブとは異なる機序で異なる部位のHER2を標的とすることから、両薬剤によりHER2シグナル伝達阻害作用が補強されると予測される。HER二量体化は腫瘍細胞の増殖に必須。

 なおRoche社は、欧州規制当局(EMA)に対しても未治療のmBCへの適応でpertuzumabの医薬品販売承認申請を提出している。日本では中外製薬が今年上半期での申請を目指している。