治療歴のあるKRAS野生型転移性大腸癌に対し、経口マルチキナーゼ阻害剤brivanibセツキシマブに追加しても、主要評価項目である全生存(OS)の有意な改善が見られないことがフェーズ3試験、NCIC CTG/AGITG CO.20で明らかになった。カナダPrincess Margaret Hospital/University of TorontoのLillian L. Siu氏らが、1月19日からサンフランシスコで開催された2012 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI)で発表した。

 Brivanibは、血管内皮成長因子(VEGF)と線維芽細胞成長因子(FGF)の受容体を標的とするチロシンキナーゼ阻害剤。フェーズ1/2試験では、KRAS野生型大腸癌患者におけるレトロスペクティブな解析で、セツキシマブとbrivanibの併用によりPFSの改善が期待された。

 フェーズ3試験は、転移性大腸癌患者750人を対象に、brivanib+セツキシマブ(376人)とプラセボ+セツキシマブ(374人)が比較された。2008年2月5日から試験は開始された。適格条件として、KRAS野生型(2008年5月12日から実施)、フッ化ピリミジン系抗癌剤の治療歴がある、イリノテカンとオキサリプラチンに不応で、抗EGFR療法の治療歴がない患者とし、抗VEGF療法の治療歴が1回ある患者は含めた。

 治療は、brivanib 800mgを経口で連日投与し、セツキシマブは初回 400mg/m2を静注し、その後、週1回 250mg/m2を投与した。主要評価項目はOS、副次評価項目は無増悪生存(PFS)、奏効率、奏効期間、QOL、安全性などとした。フォローアップ期間中央値は19カ月。

 患者の年齢中央値は64歳、男性が64%。3レジメン以上の化学療法歴がある患者が92%を占め、抗VEGF 療法歴のある患者は41%だった。

 この結果、OS中央値はbrivanib+セツキシマブ群で8.8カ月(95%信頼区間:7.9-9.6)、プラセボ+セツキシマブ群で8.1カ月(同:7.4-9.0)、ハザード比は0.88(同:0.74-1.03)、p=0.12と、有意な差がなかった。

 一方、PFS中央値はそれぞれ5.0カ月、3.4カ月で、ハザード比は0.72(同:0.62- 0.84)、p<0.0001と、有意に改善した。また部分奏効の患者の割合はそれぞれ13.6%、7.2%、病勢安定は50%、44%であった(p=0.004)。

 用量強度が90%以上の患者は、セツキシマブではbrivanib+セツキシマブ群で57%、プラセボ+セツキシマブ群で83%、brivanibは48%だった。

 グレード3以上の有害事象はbrivanib+セツキシマブ群で78%、プラセボ+セツキシマブ群で53%の患者に見られた。主なグレード3以上の有害事象は、倦怠感がbrivanib+セツキシマブ群で25%、プラセボ+セツキシマブ群は11%、高血圧がそれぞれ11%、1%、皮疹が10%、5%、腹痛が10%、5%だった。有害事象によるセツキシマブの投与中止がbrivanib+セツキシマブ群で8%、プラセボ+セツキシマブ群で4%、有害事象によるbrivanibの中止は22%に見られた。