転移を有するKRAS野生型の大腸癌患者のセカンドライン治療として、FOLFIRIとパニツムマブの併用を検討した無作為化フェーズ3試験「181試験」の最終結果から、無増悪生存期間(PFS)と奏効率が有意に改善し、さらにグレード2〜4の皮膚毒性が発現した患者のPFSとOSは、同グレードが0〜1の患者と比較して有意に延長したことが明らかになった。成果は、1月19日から21日までサンフランシスコで開催された2012 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI)で、イタリアAlberto F. Sobrero氏が発表した。

 181試験では、パニツムマブ6.0mg/kgとFOLFIRIを2週毎に投与する群(パニツムマブ+FOLFIRI群)と、FOLFIRIのみを2週毎に投与する群(FOLFIRI群)が比較された。初回の解析では、KRAS野生型の患者でパニツムマブ+FOLFIRI群のPFSと奏効率が有意に改善していた。

 今回は、最後に患者が登録されてから30カ月間の有効性について、指定された記述分析が行われ、さらに皮膚毒性の程度と有効性の結果について、28日の時点で進行(PD)を伴わずに生存していた患者において相関の可能性が検討された。主要評価項目はPFSとOS、副次的評価項目は奏効率と安全性だった。

 同試験の対象1186人中、KRAS遺伝子変異の有無について結果が得られたのは1083人。このうち野生型は597人で、パニツムマブ+FOLFIRI群303人(男性62%、年齢中央値60歳)、FOLFIRI群294人(同65%、61歳)となった。オキサリプラチンによる治療歴があるのはそれぞれ67%と65%に上り、ベバシズマブによる治療歴があるのは18%と20%だった。肝転移を含む複数の転移を有する患者はそれぞれ68%と65%だった。

 PFS中央値は、パニツムマブ+FOLFIRI群6.7カ月、FOLFIRI群4.9カ月となり、ハザード比(HR)は0.82(95%信頼区間:0.69〜0.97)で、パニツムマブの併用により有意に改善した(p=0.023)。

 一方、OS中央値はそれぞれ14.5カ月と12.5カ月で、パニツムマブの併用により改善傾向がみられたものの、有意差は得られず、HRは0.92(95%信頼区間:0.78〜1.10)だった(p=0.37)。
 
 奏効率は、パニツムマブ+FOLFIRI群36.0%、FOLFIRI群9.8%となり、調整オッズ比は5.5(95%信頼区間:3.3〜8.9)で、パニツムマブの併用により有意に改善した(p<0.0001)。
 
 試験治療後に抗EGFR抗体による治療が行われた患者は、パニツムマブ+FOLFIRI群12%、FOLFIRI群34%となり、Sobrero氏は「OSで有意差が出なかった理由の一つと考えられる」と話した。化学療法はそれぞれ53%と50%の患者が受けていた。
 
 安全性についての新たな知見はみられなかった。グレード3以上の皮膚毒性は、パニツムマブ+FOLFIRI群で37%、FOLFIRI群で31%に発現した。
 
 皮膚毒性の程度別に有効性をみると、パニツムマブ+FOLFIRI群で皮膚毒性のグレードが2〜4となった患者のPFS中央値は7.4カ月、同グレードが0〜1だった患者では4.0カ月で、HRは0.60(95%信頼区間:0.46〜0.80)だった(p=0.0003)。OS中央値はそれぞれ16.6カ月と8.4カ月で、HRは0.50(95%信頼区間:0.38〜0.66)だった(p<0.0001)。皮膚毒性のグレードが2〜4となった患者のPFSとOSは、FOLFIRI群の患者(5.1カ月と12.7カ月)との比較でも、いずれも有意に改善していた(それぞれp=0.0006、p=0.025)。