標準的治療の後に進行した転移性大腸癌に対し、経口マルチキナーゼ阻害剤regorafenib (BAY 73-4506)はプラセボに比べ有意に生存を改善したことが、日本を含む16カ国で実施された多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照フェーズ3試験CORRECTの中間解析で明らかになった。米国Mayo ClinicのAxel Grothey氏らが、1月19日からサンフランシスコで開催された2012 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI)で発表した。

 regorafenibは、血管新生に関与するVEGFR1-3やTIE-2、またPDGFR-βやFGFR、KIT やRETなどの受容体チロシンキナーゼを阻害する。

 CORRECT試験では、標準的治療後に進行した転移性大腸癌患者において、regorafenibの有効性と安全性を評価するため、regorafenib+支持療法(BSC)とプラセボ+BSCが比較された。標準的治療にはフルオロピリミジン、オキサリプラチン、イリノテカン、ベバシズマブ、またKRAS野生型ではセツキシマブやパニツムマブが含まれる。

 標準的治療中もしくは治療終了から3カ月以内に進行した患者をregorafenib群もしくはプラセボ群に2:1に割り付けた。regorafenib(160mg/日)もしくはプラセボが3週投与1週休薬のスケジュールで投与され、病勢進行、死亡もしくは認容できない毒性の発生まで継続された。主要評価項目は全生存期間(OS)、副次評価項目は無増悪生存(PFS)、奏効率(ORR)、病勢制御率(DCR)、三次評価項目は奏効期間、 QOL、薬物動態、バイオマーカーと設定された。

 転移性大腸癌患者760人が登録した。全患者のうちアジア人(日本、中国)は両群とも13.7%だった。KRAS変異型はregorafenib群で54.1%、プラセボ群は61.6%だった。

 この結果、OSにおけるハザード比は0.77(95%信頼区間:0.64-0.94、片側検定p=0.0052)。OS中央値はregorafenib 群が6.4カ月(同:5.9-7.3)、 プラセボ群が5.0カ月(同:4.4-5.8)だった。

 PFSのハザード比は0.49(95%信頼区間:0.42-0.58、片側検定p<0.000001)。 PFS中央値はregorafenib 群が1.9カ月(同:1.9-2.1)、プラセボ群が1.7カ月(同:1.7-1.7)。奏効率はそれぞれ1.0%、0.4%で、病勢制御率は44.8%、15.3%(p<0.000001)だった。

 現時点の予備的な結果ではKRASステータスによる効果への影響は見られなかった。

 regorafenib群で新たな有害事象はなかった。主な有害事象は、手足皮膚反応(グレード3が16.6%)、倦怠感(グレード3が9.2%、グレード4が0.4%)、高血圧(グレード3が7.2%)、下痢(グレード3が7.0、グレード4が0.2%)だった。またALT、AST、ビリルビンはregorafenib群で高かった。