進行性神経内分泌腫瘍(NET)を対象に、経口mTOR阻害剤エベロリムスオクトレオチド酢酸塩徐放性製剤(オクトレオチドLAR)の併用を検討したフェーズ3試験RADIANT-2の後解析で、全身状態(PS)や治療前のクロモグラニンA (CgA)値、原発巣が肺であることなどが予後因子であることが明らかになった。また予後因子で調整した結果、エベロリムスとオクトレオチドLARを併用することで進行リスクは38%低下することが示された。米University of Texas M. D. Anderson Cancer CenterのJames C. Yao氏らが、1月19日からサンフランシスコで開催された2012 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI)で発表した。

 神経内分泌腫瘍(NET)は、消化管や肺、膵臓などさまざまな臓器で発生し、潮紅や下痢などのカルチノイド症候群を引き起こす。RADIANT-2(RAD001 In Advanced Neuroendocrine Tumors)試験は、カルチノイド症候群の症状があった進行性NET患者429人を対象に行われた無作為化二重盲検プラセボ対照の多施設共同フェーズ3試験。

 エベロリムスとオクトレオチドLARの併用(E+O 群、216人)は、オクトレオチドLAR単独(P+O群、213人)に比べて、進行性NET患者の無増悪生存期間(PFS)は11.3カ月から16.4カ月と、5.1カ月延長したことが報告されている(ハザード比0.77、p=0.026)。

 しかし無作為化にあたり2群間では不均衡が見られた。例えば、WHO PSが0を超える患者がE+O群は45%、P+O群は34%、原発巣が肺である患者がそれぞれ15%、5%であった。またNETにおいて、CgAと5-ヒドロキシインドール酢酸(5-HIAA)は重要なバイオマーカーであるといわれている。そこで、予後に影響を与える因子を同定し、無作為化の不均衡を調整するための解析が行われた。

 まず治療前のCgAで分けたところ、2×正常値上限(ULN)超の場合、PFS中央値はE+O群は13.9カ月、P+O群は8.4カ月、2×ULN以下の場合はそれぞれ31.3カ月、20.1カ月とPFSは大きく異なった。

 ログランク検定を用いた単変量解析の結果、年齢(65歳未満、65歳以上)、WHO PS(0、1以上)、ベースラインのCgA(2×ULN超、2×ULN以下)、ベースラインの5-HIAA(中央値超、中央値以下)、肝臓転移(有、無)、骨転移(有、無)が有意にPFSに影響を与えることが示された。

 多変量解析ではコックス比例ハザードモデルにより、PFSに対する有意な予後因子は、治療法(ハザード比0.62、95%信頼区間(CI):0.51-0.87、p=0.003)、WHO PS(ハザード比0.69、95%CI:0.52-0.90、p=0.006)、ベースラインのCgA (ハザード比0.47、95%CI:0.34-0.65、p<0.001)、骨転移(ハザード比1.52、95%CI:1.06-2.18、p=0.020)、原発巣が肺(ハザード比1.55、95%CI:1.01-2.36、p=0.044)だった。

 これらの予後因子を共変数として調整した結果、E+O群で進行リスクは38%低下することが示された(ハザード比0.62、95%信頼区間:0.51-0.87、p=0.003)。

 これらの結果から、「RADIANT-2試験において、治療前のCgA値、WHO PS、原発巣が肺であること、骨転移が重要な予後因子であり、それらの予後因子で調整した探索的解析で、エベロリムス治療の有意なベネフィットが示された」とした。