日本人の手術不能または転移性高分化型膵神経内分泌腫瘍(pancreatic neuroendocrine tumors: pNET)に、スニチニブが有効であることが明らかとなった。国内で実施されたオープンラベルフェーズ2試験の結果示されたもの。成果は1月19日から21日に米サンフランシスコで開催された2012 Gastrointestinal Cancer Symposium(ASCO GI)で、国立がん研究センター中央病院の奥坂拓志氏によって発表された。

 フェーズ2試験は、全身状態が良い成人の手術不能または転移性高分化型pNET患者12人(2010年7月から12月に登録)を対象に行われた。年齢中央値は54歳(34-79)、男性が8人、PS 0が11人、PS 1が1人、診断からの時間の中央値は3年(0.2-9)、非機能性が10人で機能性が2人だった。12人中6人がオクトレオチドの投与を既に受けており、試験中も継続投与されていた。患者には4週間を1サイクルとして、スニチニブを毎日37.5mg、経口投与した。

 試験の結果、投与サイクル中央値は10(3-12)で、投与中断が11人、投与量減少が6人で行われた。完全奏効(CR)はなかったが、部分奏効(PR)が5人(62%)、24週以上の病勢安定が4人(33%)で認められた。主要評価項目である臨床利益率(CR、PR、24週以上のSD)は75%(95%信頼区間:43-95)だった。奏効率は42%(95%信頼区間:15-72)だった。標的腫瘍の大きさのベースラインからの最大変化は、11人で減少した。1人は標的腫瘍は100%減少したが、非標的腫瘍が残っていたためPRと判定された。臨床利益率は欧米で行われたフェーズ3試験で観察された44.2%を上回った。

 グレード4の副作用は3人で認められ、1人はけいれんと意識喪失で、1人はヘルペス脳炎とリパーゼ上昇、1人はリパーゼ上昇だった。グレード3の副作用は、5人の患者で好中球減少症が認められた。