進行性胆道癌において、ゲムシタビンS-1併用のGS療法の1年生存率はS-1単剤よりも高いことが、無作為化フェーズ2試験(JCOG0805)で明らかになった。またフェーズ2試験の結果から、GS療法とGC療法を比較するフェーズ3試験が計画されている。国立がん研究センター中央病院肝胆膵腫瘍科の森実千種氏らが、1月19日からサンフランシスコで開催された2012 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI)で発表した。

 進行性胆道癌では、ゲムシタビンとシスプラチンの併用であるGC療法が標準治療となっている。一方で、進行性胆道癌に対し、GS療法あるいはS-1単剤の有効性も報告されている。そこでフェーズ2試験として、GS療法とS-1単剤の有効性と安全性、ならびにフェーズ3試験のレジメンとして、どちらが有望であるかが検討された。

 対象は治療歴がない再発もしくは切除不能の胆道癌(胆嚢癌、肝内胆管癌、肝外胆管癌、ファーター乳頭部癌)。GS療法群では3週おきに、ゲムシタビン1000mg/m2を第1日と第8日に、S-1 は体表面積に応じて60mg、80mg、100mg/日を第1日から第14日に投与した。S-1単剤群では6週おきにS-1 80mg、100mg、120mg/日を第1日から第28日に投与した。

 主要評価項目は1年生存率、副次評価項目は無増悪生存(PFS)、測定可能病変のある患者における奏効率、有害事象、重篤な有害事象(SAE)とした。また1年生存率が高いほうを優れたレジメンとして考えることが定義された。

 101人が登録され、年齢中央値は65歳、男性が55人、女性が46人。原発巣は胆嚢が38人、肝内胆管が35人、肝外胆管が20人、ファーター乳頭が8人だった。患者は無作為にGS療法群(51人)とS-1単剤群(50人)に割りつけられた。

 この結果、1年生存率はGS療法群が52.9%(95%信頼区間:38.5-65.5)、S-1単剤群が40.0%(同:26.5-53.1)と、GS療法が優れていた。生存期間中央値はGS療法群が12.5カ月(同:9.0-15.4)、S-1単剤群が9.0カ月(同:7.3-12.7)であり、ハザード比は0.86(95%信頼区間:0.54-1.36)、p=0.52であった。

 PFS中央値はGS療法群が7.1カ月、S-1単剤群が4.2カ月で、ハザード比は0.44 (95%信頼区間:0.29-0.67)、p<0.0001であった。奏効率は評価可能だった90人において、GS療法群が36.4%、S-1単剤群が17.4%だった。

 グレード3/4の血液毒性はGS療法群のほうが多く、好中球減少がGS療法群は60.8%、S-1単剤群は4.0%、白血球減少がそれぞれ29.4%、2.0%、ヘモグロビン減少が11.8%、4.0%、血小板減少が11.8%、4.0%であった。グレード3/4の非血液毒性は、倦怠感がGS療法群は7.8%、S-1単剤群は4.0%、皮疹がそれぞれ9.8%、2.0%などだったが、いずれも管理可能な範囲だった。

 SAEは、30日以内の死亡がGS療法群で3人、S-1単独群で1人、30日以降の治療関連死は両群ともなかった。グレード4の非血液毒性がGS療法群は1人(低ナトリウム血症)、S-1 単剤群は2人(AST上昇、心筋梗塞)であった。

 これらの結果から、GS療法はS-1単剤よりも1年生存率が高く、フェーズ3試験においてGS療法はGC療法と比較する試験アームとして考えられるとした。再発もしくは切除不能胆道癌を対象に、GC療法に対するGS療法の非劣性を検証するフェーズ3試験(JCOG1113)が計画されている。