ゲムシタビンS-1を併用するGS療法は、膵癌の術後補助療法として良好な生存率を示し、有望なレジメンであることが、フェーズ2試験(JSAP-03)で明らかになった。がん研有明病院消化器外科(肝胆膵)の齋浦明夫氏らが、1月19日からサンフランシスコで開催された2012 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI)で発表した。

 JSAP-03試験ではフェーズ1試験部分においてGS療法の用量が検討され、ゲムシタビンは800 mg/m2、S-1は60 mg/m2/日が推奨用量と決定された。

 そこでフェーズ2試験として、膵切除術を受けた浸潤性膵管癌で、化学療法や放射線療法による治療歴がない患者を対象に、GS療法の効果と毒性が検討された。主要評価項目は全生存期間(OS)、副次評価項目は無病生存(DFS)と毒性とした。ゲムシタビン (800 mg/m2)を第1日に、S-1(60mg/m2/日)は第1日から第7日に投与し、これを2週おきに12サイクルまで行った。

 19施設から55人が登録し、このうちGS療法を1サイクル以上受けた54人を解析対象とした。年齢中央値は65歳、女性が22人、男性が32人で、PS 0が44人、PS 1が10人。手術から治療までの期間中央値は49日(27-80日)だった。

 手術は、膵頭十二指腸切除術(PD)が19人、全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)が11人、膵体尾部切除術(DP)が19人、膵全摘術(TP)は0人、その他が5人であった。根治的切除(R0)は42人(77.8%)で行われた。

 12サイクルのGS療法を完遂した患者は40人(74%)を占めた。9人(17%)は6サイクル以内に中止し、5人(9%)は6から12サイクルの間に中止していた。中止理由は計14人のうち病勢進行が6人、有害事象が8人だった。

 死亡は17人(31.5%)、生存者37人のうち無病生存は22人(59.5%)であった。生存者におけるフォローアップ期間中央値は25.4カ月。生存期間中央値には達していない。1年生存率は88.9%(95%信頼区間:76.9-94.8)、2年生存率は72.1%(同:58.1-82.2)と良好だった。 1年無病生存率は57.4%(同:43.2-69.3)、2年無病生存率は44.4%(同:30.9-57.0)であった。

 主なグレード3/4の有害事象は、好中球減少が59%、白血球減少が20%で、ALT上昇が5.6%、悪心が1.9%、 嘔吐が1.9%、倦怠感が1.9%、好中球減少を伴わない感染症が1.9%であった。

 これらの結果から、「GS療法による術後補助療法は切除術を受けた膵癌患者において、良好な無病生存率と全生存率を示し、認容できる毒性プロファイルであった」とした。現在、膵癌において、術後補助療法としてゲムシタビンとGS療法を比較するフェーズ3試験(JSAP-04)が進行している。