国際的なフェーズ3のAVAGAST試験の生存解析から、胃癌のサブタイプが患者の予後の重要な予測因子となる可能性が示された。1月19日から21日までサンフランシスコで開催された2012 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI)で、米Weill Cornell Medical College/New York Presbyterian HospitalのManish A. Shah氏が発表した。

 AVAGAST試験には、アジア太平洋地域と欧米から局所進行性または転移を有する胃癌患者が参加し、ファーストライン治療として、カペシタビン+シスプラチン+プラセボを投与する群(プラセボ群、387人)とカペシタビン+シスプラチン+ベバシズマブを投与する群(ベバシズマブ群、387人)に無作為に割り付けられた。
 
 主要評価項目の全生存期間(OS)ではプラセボ群に対するベバシズマブ群の優越性を示すことはできなかったが、アジア太平洋地域の患者と比べて欧米の患者でベバシズマブの有用性が得られるなど、地域による有効性の違いが示された。

 疫学、危険因子、遺伝子発現プロファイルにより、胃癌には、胃食道接合部(GEJ)に位置するproximal non-diffuse(タイプ1)、部位はさまざまなdiffuse(タイプ2)、そしてdistal non-diffuse(タイプ3)の3つのサブタイプが存在すると考えられる。
 
 Shah氏らは、この胃癌のサブタイプと地域による転帰について同試験に参加した患者の解析を行い、胃癌のサブタイプにより予後が予測されるか、またベバシズマブの有用性を予測できるかを検証した。

 今回の解析の対象となったのは733人で、アジア太平洋地域の患者は355人、欧米の患者は378人だった。
 
 全対象ではタイプ2の患者が52.1%と最も多く、タイプ1の患者は9.5%、タイプ3の患者は38.3%だった。
 
 全対象では、治療法によらず、タイプ2の患者の転帰はタイプ3の患者よりも不良だった。OS中央値は、タイプ2のプラセボ群で9.3カ月、ベバシズマブ群で11.9カ月、タイプ3ではそれぞれ11.1カ月と13.3カ月だった。タイプ1ではそれぞれ11.3カ月と10.4カ月だった。

 欧米の患者のOS中央値は、タイプ1のプラセボ群で12.8カ月、ベバシズマブ群で10.4カ月、タイプ2ではそれぞれ6.5カ月と9.9カ月、タイプ3で9.0カ月と11.7カ月となり、タイプ2が最も不良だった。

 また欧米の患者では、タイプ2およびタイプ3でベバシズマブの追加による効果が示された。OS中央値のハザード比は、タイプ2で0.68(95%信頼区間:0.48-0.97)、タイプ3で0.72(95%信頼区間:0.48-1.07)だった。
 
 バイオマーカーの解析では、共通受容体Neuropilin-1(NRP-1)と血漿中のVEGF-A(pVEGF-A)が、胃癌とベバシズマブを投与した群のサブタイプ特異的な転帰の根拠となる可能性が示された。タイプ1の患者ではベバシズマブ群の予後が不良で、NRP-1とpVEGF-Aが高発現していた。一方、タイプ2とタイプ3の患者では、抗血管新生治療の有用性を支持するバイオマーカーが1つ以上存在すると考えられた。タイプ1と比べて、タイプ2ではNRP-1の発現が低く、タイプ3ではpVEGF-Aの発現が高かった。