既治療の進行胃癌に対してエベロリムスを投与してもプラセボ群より全生存期間(OS)が延長できないことが明らかとなった。フェーズ3試験GRANITE-1の結果、示されたもの。進行胃癌に対するエベロリムスの開発は日本でフェーズ1が始められ、フェーズ2まで良好な結果が得られていたことから、大きな期待が寄せられていた。結果は1月19日から21日に米サンフランシスコで開催されている2012 Gastrointestinal Cancer Symposium(ASCO GI)で、ベルギーUniversity Hospital LeuvenのEric Van Cutsem氏によって発表された。

 フェーズ3試験は1から2レジメンの全身療法の経験のある進行胃癌患者を、エベロリムス10mgの毎日経口投与と支持療法(BSC)を受ける群(エベロリムス群、439人)と、プラセボ10mgの毎日経口投与とBSCを受ける群(プラセボ群、217人)に分けて行われた。主要評価項目はOS、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)、副作用などだった。

 効果の評価(Full analysis set)にはエベロリムス群439人、プラセボ群217人、安全性の評価にはエベロリムス群437人、プラセボ群215人のデータが用いられた。試験に参加した患者が多かったのは中国128人、日本116人、韓国77人、オーストラリア54人などだった。エベロリムス群の年齢中央値は62.0歳(20.0-86.0)、65歳未満が59.2%、男性が73.3%、アジア人が57.2%だった。プラセボ群の年齢中央値は62.0歳(26.0-88.0)、65歳未満が59.4%、男性が74.2%、アジア人が58.1%だった。

 試験の結果、エベロリムス群のOS中央値は5.39カ月、プラセボ群は4.34カ月で、ハザード比0.90(95%信頼区間:0.75−1.08)、p=0.1244で有意な差はなかった。アジアと他の地域、前治療レジメンの数、それらの組み合わせで層別化解析しても、エベロリムス群が良い傾向はあるものの有意差はなかった。しかし、PFS中央値はエベロリムス群が1.68カ月、プラセボ群が1.41カ月で、ハザード比0.66(95%信頼区間:0.56-0.78)、p<0.0001でエベロリムス群が有意に長かった。エベロリムス群は完全奏効(CR)が1人(0.3%)、部分奏効(PR)が16人(4.2%)、病勢安定(SD)が147人(38.8%)で、ORRは4.5%、疾病制御率(DCR)は43.3%だった。プラセボ群はCRはなく、PRが4人(2.1%)、病勢安定(SD)が38人(19.9%)で、ORRは2.1%、疾病制御率(DCR)は22.0%だった。

 副作用は、グレード3/4の副作用を起こしたのはエベロリムス群が70.9%、プラセボ群が53.5%、重篤な副作用を起こしたのはエベロリムス群が47.4%、プラセボ群が41.4%、副作用で投与中止になったのはエベロリムス群21.5%、プラセボ群15.8%、投与中断・減量が必要になったのはエベロリムス群55.4%、プラセボ群21.4%だった。エベロリムス群で多かったグレード3/4の副作用は、食欲減退11.0%(プラセボ群は5.6%)、下痢3.4%(プラセボ群0.9%)、貧血16.0%(プラセボ群は12.6%)、血小板減少症5.0%(プラセボ群は1.4%)、好中球減少症3.9%(プラセボ群は0.5%)などだった。生化学検査値異常もエベロリムス群で多かった。