タカラバイオは、1月5日、腫瘍溶解性ウイルスHF10の臨床研究を開始すると発表した。三重大学医学部附属病院とHF10の臨床研究を共同に行う契約を、2011年12月22日付けで締結した。研究は、タカラバイオが遺伝子治療の臨床開発の推進を目的に三重大学医学部に設置している遺伝子・免疫細胞治療学講座が中心となって行われる。

 臨床研究の対象は9人。米国で行われているフェーズ1試験の4段階の投与量のうち、3つの投与量で行われる。対象は標準治療での治癒が期待できない、体表からHF10が投与可能な病変を有する固形癌患者だ。HF10を複数回投与した際の安全性、体内動態および腫瘍縮小効果などの評価を行う。

 HF10は、単純ヘルペスウイルス1型の弱毒型自然変異株で遺伝子組み換えウイルスではない。正常細胞ではほとんど増殖せず、癌細胞に感染すると増殖し、死滅させることが動物実験などで示されている。増殖の速さが特色だという。