英AstraZeneca社は、12月20日、経口PARP(poly[ADP]-ribose polymerase)阻害剤olaparibについて、漿液性卵巣癌の維持療法としての有効性を検討するフェーズ3試験には進めないと発表した。
 
 olaparibは、DNA損傷を修復する遺伝子、PARPの機能を阻害する。PARPを阻害することにより、BRCA1/2遺伝子が機能せず相同組み換え修復が欠損した癌細胞では、DNA修復が行われなくなり、細胞死が誘導される。これに対し、正常細胞では相同組み換え修復によりDNAが修復され、細胞の生存が維持される。

 今回の開発中止の決定は、フェーズ2試験(Study19試験)の中間解析のレビューによって行われた。
 
 Study19試験では、プラチナ感受性再発漿液性卵巣癌の患者に化学療法を施行後、完全奏効(CR)または部分奏効(PR)が得られた患者265人にolaparibまたはプラセボを投与し、進行を認めるまで治療を継続した。その結果、無増悪生存期間(PFS)の中央値はolaparib群8.4カ月、プラセボ群4.8カ月となり、olaparib群で有意に延長した(p<0.00001)。しかし、中間解析のレビューでは、このPFSの有用性は、卵巣癌患者に対する有用性を最終的に評価する全生存期間(OS)に転換されないと考えられる結果が示された。さらに、フェーズ3試験で使用する適切な用量も確認できなかった。安全性に関する新たな懸念は認められなかった。