米Dana-Farber癌研究所などが行ったフェーズI試験で、ステロイド療法に反応しない慢性移植片対宿主病(GVHD)患者に低用量のインターロイキン-2(IL-2)を連日投与すると、約半数の患者に症状の軽減が見られることが明らかになった。詳細は、NEJM誌2012年12月1日号に報告された。

 造血幹細胞移植を受けた癌患者に発生するGVHDは、ドナー由来の免疫系細胞が患者自身の組織を攻撃することにより発生し、様々な症状を引き起こす。血液癌で造血幹細胞移植を受けた患者の半数程度が慢性GVHDを発症する可能性があるが、標準的に用いられるステロイド療法の有効性は限られている上に有害事象リスクは高い。

 著者らは、幹細胞移植を受けた後に活動性の慢性GVHDとなった血液癌患者のうち、ステロイド療法に反応しない29人を登録して、1日1回、低用量IL-2(0.3×106 IU/m2、1×106 IU/m2、または3×106 IU/m2)のいずれかに割り付け、8週間連日皮下投与した。

 最高用量群には忍容できない全身症状が現れた。一方で、8週後に評価が可能だった23人のうち12人が身体症状の軽減を経験していた。皮膚や皮下組織の硬化の軽減、皮膚の赤みが減少、運動能力や歩行能力が改善、肝機能の向上、神経障害の消失などが認められた。

 治療に反応した患者については、4週間の休薬後にIL-2投与を継続したところ、症状改善が持続した。これまで、慢性GVHD患者の皮膚症状は不可逆的で、いったん発症すれば改善は望めないと考えられていたが、低用量IL-2投与期間中は、他の免疫抑制剤の用量を減らしてもなお、皮膚症状の改善が続いた。加えて、IL-2の延長投与が行われた10人の患者のうち2人はステロイドの使用を中止することができた。別の2人の患者はステロイド以外の免疫抑制剤の使用を中止していた。これら10人に対するステロイドの投与量は、ベースラインに比べ平均60%(レンジは25-100%)減少した。

 IL-2使用期間中に慢性GVDHの進行は見られず、幹細胞移植が適用されることになった元々の癌の再発もなかった。また、ウイルスまたは真菌の日和見感染の報告はなかったことから、IL-2投与期間中も患者の免疫系は機能していたと考えられた。

 今回、少なくとも半分程度の慢性GVHD患者は低用量IL-2の利益を得られることが示された。