米食品医薬品局(FDA)は、2011年11月18日、米EUSA Pharma社の「エルウィナーゼ(Erwinaze)」を他の薬剤とともに急性リンパ芽球性白血病(ALL)に対する化学療法に用いることを許可した。適応は、大腸菌(E.coli)由来のL-アスパラギナーゼとペグアスパラガーゼ(L-アスパラギナーゼ過敏症患者に対する代替薬)を用いた化学療法に対する過敏症を示す患者となっている。

 ALLに対する化学療法に用いられる薬剤の一つがL-アスパラギナーゼだ。アスパラギンはたんぱく質の合成に必要なアミノ酸の一つで、正常細胞は自身でこれを作り出すことができるが、白血病細胞はアスパラギンを合成できない。アスパラギナーゼは血液中のアスパラギンを分解し欠乏状態にして、白血病細胞の蛋白合成を阻害する。有効な治療として長年にわたって適用されているが、ALL患者の15-20%は治療を受けている間に大腸菌由来の製品に対する過敏症を示すようになる。

 今回代替として承認されたエルウィナーゼは、ジャガイモ黒あし病などを農作物に引き起こすErwinia chrysanthemiという細菌に由来するL-アスパラギナーゼ(Erwinia L-asparaginase)で、週3回筋注される。

 有効性と安全性は58人の患者を対象とする1件の臨床試験で確認された。さらに、拡大アクセスプログラムであるErwinaze Master Treatment Protocol(EMTP)により843人に投与され、安全性に関するデータが蓄積されている。これらの患者はすべて、大腸菌由来のL-アスパラギナーゼ製剤「Elspar」とペグアスパラガーゼ「Oncaspar」に対する過敏症を示した人々だ。

 これまでに報告があった有害事象は、重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー)、膵炎、肝酵素値の上昇、血栓形成、出血、悪心、嘔吐、血糖値の上昇などだ。エルウィナーゼが禁忌となるのは、エルウィナーゼに対する過敏症を示す患者と、先に投与されたアスパラギナーゼ製品により重篤な膵炎、血栓症、出血イベントを経験した人々となっている。

 エルウィナーゼは米国でオーファンドラッグ指定を得ている。

 日本では2010年7月に、大原薬品がEUSA Pharma社からエルウィナーゼの日本での開発・販売権を取得している。