Cabozantinib(XL184)が日本人固形癌患者に有望な薬剤になる可能性が明らかとなった。フェーズ1用量増多試験の中間データで、用量制限毒性や重篤な副作用はなく、抗腫瘍効果が確認された。成果は11月12日から16日まで米国サンフランシスコで開催されたAACR-NCI-EORTC International Conference MOLECULAR TARGETS and CANCER THERAPEUTICSで、国立がん研究センター中央病院の山本昇氏によって発表された。

 Cabozantinibは、腫瘍細胞の生存、浸潤、転移にかかわるMET遺伝子と、その活性化を助長するVEGFR2経路の両方を阻害する経口薬剤。

 フェーズ1試験は、4週間を1サイクルとしてCabozantinib単剤を1日1回投与する方法で行われている。抗腫瘍効果は29日目とその後8週おきにmRECISTで評価している。対象は成人の進行または転移を有する固形癌患者で、標準治療が有効でなかったか、適切ではなかった患者。投与は病状が進行するか、毒性で中止せざるを得なくなるまで続けられる。

 今回はCabozantinibの投与量40mg群と60mg群について発表が行われた。海外の推奨用量は125mgで、日本では現在100mgを投与する段階が行われている。

 試験に参加した患者は6人で、年齢中央値は56歳(32-67)。非小細胞肺癌(NSCLC)患者が3人で、大腸癌、消化管間質腫瘍(GIST)、平滑筋肉腫患者が1人ずつだった。病状の進行により1人が投薬を終了したが、5人は継続されている。2011年9月21日のカットオフ時点で用量制限毒性も重篤な副作用も報告されていない。副作用は一般的に軽度から中等度で、好中球減少症、血小板減少症、ALT/AST上昇、TSH上昇、高血圧、手掌・足底発赤知覚不全症候群(palmar-plantar erythrodysesthesia syndrome:PPE症候群)が多くみられたものだった。

 抗腫瘍効果は、現在までにNSCLC患者2人で確認部分奏効(38%と41%の縮小、2人とも3カ月以上試験に参加中)、病勢安定(SD)が3人に認められ(2人は2カ月以上、1人は5カ月以上試験に参加中)、SDのうちGIST患者で5カ所の標的部位の合計で16%が縮小した。