経口pan-class I PI3K阻害剤であるBKM-120は日本人に対して認容性があり、効果も期待できることが、国内で実施されたフェーズ1試験で明らかとなった。日本ではノバルティスファーマが子宮内膜癌を対象に単剤でフェーズ2試験を8月に開始しており、肺癌を対象にドセタキセルと併用するフェーズ2試験もまもなく開始される予定。成果は11月12日から16日まで米国サンフランシスコで開催されたAACR-NCI-EORTC International Conference MOLECULAR TARGETS and CANCER THERAPEUTICSで、国立がん研究センター東病院の土井俊彦氏によって発表された。

 フェーズ1試験は、標準療法で進行または標準療法を受けることができない手術不能日本人進行固形癌患者を対象に用量増多試験で実施された。BKM-120は28日を1サイクルとして毎日1回、病状が進行するか受け入れ不能な毒性が生じるまで投与された。

 試験は1日あたり投与量25mg群(3人)、50mg群(3人)、100mg群(9人)で実施された。患者の年齢中央値は58歳(22-27)、悪性腫瘍に対する前治療レジメンがあったのは12人、前治療レジメン数中央値は3(0〜9)だった。患者の癌種で多かったのは頭頸部癌(5人)、直腸癌(3人)、大腸癌(2人)。

 試験の結果、1日100mgまで一般的に認容性があり、副作用の多くはグレード1/2だった。少なくとも2人以上で発生したグレード3/4の副作用は肝酵素(ALT、AST)上昇、貧血、低カリウム血症。肝酵素上昇は好酸球増多症を伴っていることが多かったが、投薬の中止で改善した。肝酵素上昇を起こした患者が多いこと、好酸球増多症が高頻度に起きていることが海外で行われた試験とは異なることだった。用量制限毒性は1人(グレード4の肝酵素上昇)でのみ見られた。100mg群の6人の患者が重篤な副作用を経験し、最も多かったのは肝酵素上昇で3件だった。日本人におけるBKM-120の推奨用量は1日あたり100mgとなり、この数字は海外での最大耐量と同じだった。また、薬物動態は海外で得られた結果と同様だった。

 抗腫瘍効果は病勢安定(SD)が6人(1人の未確認部分奏効を含む)で、疾患制御率は40%、SDの期間は55日から116日だった。