乳癌患者に対する新規経口ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤entinostatの効果が投与開始から約2週間で分かる可能性が明らかとなった。非ステロイド型アロマターゼ阻害剤の投与を受けても病状が進行した局所再発または転移を有する閉経後エストロゲン受容体陽性乳癌患者に、ステロイド型アロマターゼ阻害剤であるエキセメスタンとentinostatを併用投与すると、エキセメスタンとプラセボを投与した場合に比べて、無増悪生存期間(PFS)中央値を有意に延長し、病状進行のリスクを27%減少させることが明らかとなったフェーズ2試験、ENCORE 301のサブ解析の結果明らかとなったもの。

 成果は11月12日から16日まで米国サンフランシスコで開催されているAACR-NCI-EORTC International Conference MOLECULAR TARGETS and CANCER THERAPEUTICSで、米Syndax Pharmacruticals社のPeter Ordenlich氏によって発表された。

 ENCORE 301試験は、非ステロイド型アロマターゼ阻害剤の投与を受けても病状が進行した閉経後エストロゲン受容体陽性進行乳癌患者130人を、毎日エキセメスタン25mgと毎週entinostat5mgを投与される群(64人)と、毎日エキセメスタン25mgと毎週プラセボを投与する群(66人)に分けて行われた。

 試験の結果、研究グループによる解析でエキセメスタン、entinostat併用群のPFS中央値は4.3カ月、エキセメスタン、プラセボ群は2.3カ月で、有意に延長していた。ハザード比も0.73、p=0.06でエキセメスタン、entinostat併用群は病状進行のリスクを27%減少させることができた。観察期間中央値18カ月で、全生存期間中央値はエキセメスタン、entinostat併用群が26.9カ月、エキセメスタン、プラセボ群は20.3カ月で entinostat併用群が有意に長かった。

 今回実施されたサブ解析は、HDAC阻害剤の効果を血球が反映していないか調べるために、49人の患者(27人がエキセメスタン、entinostat併用群)の血液検体を用いて行われた。血液検体は投与前と投与1日後、8日後、15日後と週1回採取し、entinostatの効果のバイオマーカーと考えられる蛋白リジンの高度アセチル化を、B細胞、T細胞、単球で調べた。

 その結果、1日後の検体ではリジンのアセチル化と臨床効果の関係はなかったが、8日後、15日後にリジンのアセチル化の上昇が起きた患者は、アセチル化のレベルが変わらなかった患者に比べて増悪のリスクを68%減少させることが分かった。また高度アセチル化が起きた患者ではPFS値の延長が見られることが、各細胞種で明らかとなった。B細胞では高度アセチル化が起きた患者のPFS中央値は8.5カ月、起きなかった患者は1.9カ月、T細胞では高度アセチル化が起きた患者のPFS中央値は6.6カ月、起きなかった患者は1.8カ月、単球では高度アセチル化が起きた患者のPFS中央値は6.2カ月、起きなかった患者は1.8カ月だった。