抗VEGF療法に抵抗性を獲得した癌細胞に、新しい抗体医薬PF-03446962が有効である可能性が明らかになった。フェーズ1試験の結果、抗VEGF療法に抵抗性となった患者で抗腫瘍効果が確認された。成果は11月12日から16日まで米国サンフランシスコで開催されているAACR-NCI-EORTC International Conference MOLECULAR TARGETS and CANCER THERAPEUTICSで、イタリアInstituto Europeo di OncologiaのFilippo De Braud氏によって発表された。

 PF-03446962は、細胞の成長と分化を調節するTGFβスーパーファミリー受容体に含まれるactivin receptor like kinase1(ALK-1)を標的とした完全ヒト抗体。TGFβはALK-1に選択的に結合し、情報伝達系の下流にある細胞内、核たんぱく質(SMADs、Id1)を介して血管新生促進の転写活性を上昇させる。PF-03446962はALK-1を特異的に阻害することで、既存の血管新生阻害剤とは異なる方法でVEGF経路を阻害すると考えられている。

 フェーズ1試験は44人の固形癌患者を8段階の投与量(0.5−15mg/kg)に分けて行われた。PF-03446962は、1日目と29日目に静脈内投与し、その後は2週間おきに投与された。患者44人のうち25人が男性で、平均年齢は61歳(34-80)だった。患者が最も多い癌種は大腸癌で11人が含まれていた。

 試験の結果、最大耐量(MTD)は10mg/kgとなった。最も多く見られた薬剤関連副作用は一過性の血小板減少症と無症候性の膵酵素の上昇で、管理可能だった。ALK-1遺伝子に変異があると見られる疾患である毛細血管拡張症が3人の患者で認められた。

 3人の患者で部分奏効(PR)が達成されたが、すべて抗血管新生療法を受けた経験があり、無効の患者だった。2mg/kgのPF-03446962の投与を受けた肝細胞癌患者(奏効期間は161日)、10mg/kgのPF-03446962の投与を受けた非小細胞肺癌患者(KRAS変異型、奏効期間は385日以上)、腎細胞癌患者(奏効期間は191日以上)だった。7人の患者で病勢安定(SD)が得られ、そのうちの2人は奏効期間が約1年だった(副腎皮質癌で372日、中皮腫で380日)。