手術不能の肝細胞癌(HCC)に対するソラフェニブの当初投与用量は1日あたり800mgの方が好ましい可能性が明らかとなった。HCCに対する実臨床でのソラフェニブ治療の様式や患者背景、治療成績などを追跡して評価する国際的な大規模研究であるGIDEON試験の2回目の中間解析のサブ解析の結果判明したもの。

 当初開始用量は、地域によって差があるが、一日あたり400mg投与群と800mg投与群の患者背景、副作用の発現頻度には差はなく、400mg投与群は、800mg投与群に比べて、投与が早期に終了し、予備的な解析によると全生存期間(OS)、増悪までの時間(TTP)も短い傾向があることが示された。成果は11月4日から8日にサンフランシスコで開催された米国肝臓病学会(AASLD)で、米University of MichiganのJorge Marrero氏が発表した。

 2回目の中間解析は1571人の患者を対象に行われた。解析の結果、800mg投与が行われた患者はラテンアメリカが98%と高く(59人中58人)、アジアパシフィックが78%(450人中352人)、欧州が81%(588人中474人)、米国は57%(313人中177人)、日本は58%(161人中62人)と地域によって差があった。

 しかし患者背景を調べたところ、800mg投与群(1161人)と400mg(347人)で、年齢、全身状態、BCLCステージ、Child-Pughスコア、TNM分類や高血圧、糖尿病などの疾患併発患者率には差がなかった。試験中に投与用量を減少した患者の率は800mg群が35%、400mgが32%と同等だが、用量を増やした患者の率は800mg群が9%、400mgが37%だった。ソラフェニブ投与期間中央値は800mg群が12.3週、400mgが9.7週と800mg群の方が長い傾向にあった。

 薬剤関連副作用は、全グレード、グレード3/4ともに両群で差はなく、副作用による中止率も差がなかった。両群共に多く見られた副作用は下痢、手足皮膚症候群、倦怠感、皮疹/落屑だった。

 予備的な解析だが、OS中央値は800mg群が283日(95%信頼区間:261-312)(9.3カ月)だったのに対して、400mg群は216日(95%信頼区間:176-247)(7.1カ月)だった。TTP中央値は800mg群が137日(95%信頼区間:125-155)(4.5カ月)だったのに対して、400mg群は110日(95%信頼区間:86-126)(3.6カ月)だった。